LMGT3クラスを制したケッセル・レーシング57号車のダニエル・セラ、マティス・ジョベール、木村武史 5月3日、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ第2戦『ル・カステレ4時間レース』がフランスのポール・リカールで行われ、ユナイテッド・オートスポーツのグリフィン・ピーブルズ/グレゴワール・ソーシー/ベン・ハンリーの3ドライバーは、波乱に満ちた最終盤にスピンを喫したものの、劇的な勝利を収めた。
■連続表彰台の木村組はランキング首位に
ハンリーが駆る22号車オレカ07ギブソンは、ポール・リカール・サーキットで、レシャド・デ・ジェラスとビジョイ・ガルグがドライブする34号車インター・ユーロポール・コンペティションを3.569秒差で抑えてフィニッシュラインを通過した。これは、デ・ジェラスとの接触により両車が同時にスピンした後のことだった。
2023年以来となるユナイテッドのELMS制覇は、レースの大半において確実視されていた。オープニングラップでポールポジションを獲得したフォレスティエ・レーシング・バイ・パニスの29号車オレカをピーブルズが抜き去り、その後、他車を圧倒する走りを披露していたからだ。
ソーシーは自身のスティント中、パニスのオリバー・グレイを余裕を持って引き離していたが、ケッセル・レーシングの74号車フェラーリ296 GT3エボが右後輪を脱落させたことでセーフティカーが導入され、順位が混戦となった。これにより57分間のスプリントレースとなり、これがレースの最大の激戦となった。
CLXモータースポーツ37号車オレカのアドリアン・クロスメニルが3コーナーでスピンし、デ・ジェラスは2位に浮上。その後、ポールポジションを獲得していた29号車のエステバン・マッソンが突然減速し、予定外のピットインを行った。
残り25分、デ・ジェラスは優勝をかけてハンリーを追い詰め、ミストラル・シケインでイン側から抜こうと試みた。しかし、ハンリーがアウトサイドで持ちこたえようとした際に接触が発生し、両者とも順位を落とした。とはいえ、ハンリーの方が早く復帰し、首位を守り抜くことに。
デ・ジェラスは一時4番手に後退したが、最終ピットストップでローレンツ・ホアを抜き返し、ポール・ループ・シャタンをパスして2位まで挽回。シャタンとは充分なギャップを築いたため、ピットアウト時の安全確認違反による5秒のペナルティは結果に影響を与えなかった。
3位は、シャタン、ヨブ・バン・ウィタート、ポール・ラファルグがドライブした28号車IDECスポーツ・オレカにとって力強い結果となった。ラファルグはクリーンな走りで、2023年アラゴン以来となるELMS表彰台を獲得した。
LMP2のプロ・アマクラスは、ニールセン・レーシングのクリトン・レントゥディス/ジェームズ・アレン/アレックス・クインが制した。
佐藤万璃音のユナイテッド21号車は、総合16位/プロ・アマクラス8位でフィニッシュしている。
LMP3クラスでは、インターユーロポル・コンペティションの13号車リジェJS P325・トヨタ(アレクサンダー・ブハンツォフ/チュンティン・チョウ/ヘンリー・クビデス・オラルテ)が優勝。
そしてLMGT3クラスでは、マティス・ジョベールが残り47分でチャーリー・イーストウッドを抜いたことで、木村武史、ダニエル・セラと組んだケッセル・レーシングの57号車フェラーリが優勝を果たした。
イーストウッドがブレイク・マクドナルド、アレック・ウデルとシェアするTFスポーツのコルベットZ06 GT3.Rは、レースの大半をリードしていた。序盤はマクドナルドが主導権を握り、その後ウデルがプロトンのリヒャルト・リエツやロマン・ルルー(ケッセル)を含む4台による激しいバトルの中で、アンダース・フィヨルドバッハ率いるハイ・クラス・レーシングのポルシェ911 GT3 Rの猛追をかわし続けた。
木村がチーム・カタール・バイ・アイアン・リンクスのアブドゥッラー・アリ・アル・ケラフィ(ポルシェに接触したとしてペナルティも科せられた)のメルセデスAMG GT3にスピンさせられた後、セラはトップ争いから一歩離れた位置にいたが、ケッセルのもう1台であるフラン・ルエダがホイールを脱落させたことでセーフティカーが導入され、ジョベールが戦線に復帰することに。
ジョベールはトム・サージェントを素早く抜き去ると、ウデルのスティント中にLMP2マシンによるステアリングの損傷で防御不能となっていたイーストウッドに食らいついた。ジョベールは最終コーナーで決定的なオーバーテイクを決め、そのまま17.6秒差で優勝を飾り、イーストウッドは2位に甘んじることとなった。
LMGT3の表彰台の最後の一角には、ウェインライト/メックス・ヤンセン/ローカン・ハナフィンのGRレーシング・フェラーリが入った。
木村組の3人は、開幕戦からの連続表彰台を得たことにより、LMGT3のドライバーズランキングで首位に立っている。
ELMSの次戦は7月5日、イタリアのイモラで開催される。この間、LMP2を中心とするいくつかのチームはWEC世界耐久選手権の一戦にも数えられるル・マン24時間レースに出場することになる。
[オートスポーツweb 2026年05月04日]