豊田ルナが「シーシュポスのまなざし」で映画初主演に「経験値になった」 性被害、SNS被害

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2026年05月08日 05:00  日刊スポーツ

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映画初主演をはじめ、多方面で活躍の豊田ルナ(撮影・野上伸悟)

女優豊田ルナ(23)が、6月5日公開の「シーシュポスたちのまなざし」(井上博貴監督)で映画に初主演する。演じる女子大生の黒田真優はドキュメンタリー制作に取り組む。高校時代に憧れの男の先輩が男性教師から不適切な性的行為を受けていたと、うわさが流れ、報じられたことで人生が変わってしまったことを題材に取り上げる。初主演作への思いを聞いた。


  ◇  ◇  ◇


「2年前に企画があって、脚本を読ませていただきました。監督やプロデューサーとお話をさせていただいて、決定したと連絡があった時も、半分は信じられなかったですね。とてもうれしかったです」


仲間とともにドキュメンタリー制作に挑む女子大生役。


「すごく普通の大学生だなっていう第一印象を持ったので、どうやってやろうかなと考えながら脚本を読ませていただきました。真優自身も、高校時代に起きた事件の渦中にいた。その真優が感じているであろう後ろめたさみたいなものを、どのくらい表に出してやっていこうかというのが、ちょっと難しいなと最初は思いました」


テーマとして男性同士による性被害、SNSによる炎上など、現代社会の問題点が浮き彫りにされる。その一方で、映像を作る大学生たちの人間関係が描かれる。


「青春って、いろいろな形があると思う。もちろん恋愛とかスポーツもあると思うんですけど。仲間と一緒に一つの作品作りに取り組んでいるということは、少なからず皆、興味がある。でも、その熱量がそれぞれ違ったり、ちょっと興味の分野が違ったり、得意分野が違ったりする。そういう仲間5人の中で、その先頭に立っているのが真優」


真優は高校時代に感じた違和感、やり切れなさを解決するために、仲間に自分が経験した事件をテーマとして提案する。


「真面目で、ちょっと堅物感がある。なんか柔軟にはいかない女の子だからこそ、そこにちょっと不安感を抱いたりするっていうのが、文字に表すとしたら、もう本当に『青春』がピッタリ。青臭くて、まだ若いから感情をぶつけることもできる。こういうぶつかり合いって、若いこの年代でしかできない。その大事な時間の大事なストーリーを演じさせていただけるのは、すごいうれしかったですね。私自身の大学時代は、似たような感じではあったんですけど、ちゃんと作品を作るとかっていうのをやってはいなかった。ちょっと大学時代をやらせてもらえたような気持ちにもなりました。そういう意味でも、なんか自分の人生と関わりが深いなという感じがしました」


高校時代の事件、それを題材にした作品、撮っている大学生たち。ドキュメンタリーを作りをする中で、仲間たちと衝突する部分も出てくる。


「こんなにもリアルというか、追求するものなのかと思いました。真優たちが作る作品のテーマでも真実を求めてはいますけど、その他のところでもリアルな声を大事にしていますね。それが結構、人間らしいというか、人それぞれ隠したい部分があって、その隠したい部分をなんか無意識に人に見せない。真優のこの道で行きますっていう、行き先は決まってはいる。でも、行き詰まった時に仕方ないからこうするっていうのも、ちょっと潔い感じもしました。そこの判断力みたいな、意地でもこの作品を作るぞみたいな気概が感じられて、結構好きでしたね」


撮影は2年前の4月の終わりからゴールデンウィークにかけて。公開まで2年かかった。


「待ち望んでいたっていうのも確かにあるんですけど、私よりもファンの方のほうがすごく思っていてくれたので、やっとお披露目できるのはすごくうれしく思います。その期間があったからこそ、この作品の深さだったり、濃さみたいなものがより目立つんじゃないかなと思います。役柄も、今までやったことのないジャンルだったからこそ、あそこまでできるんだ、こうやれたんだっていう経験値になりました。それが磨かれるのは、ここから先のことではあるかもしれないけど、そこまでを見られたっていうのは私の中では大きかった。同世代の仲間たちにも出会えて、一緒に頑張れて、それもすごくうれしかった」


男性同士の性行為、SNS、ぶつかりあい、さまざまな事象と感情を、細かく細かく重ねた映画。


「経験値になって、物おじしないレベルみたいなの、ちょっと上がったというか。そもそも、そんなに物おじするタイプではないけれど、ここまで頑張れたし、きっとこれからも頑張れるだろうみたいな、糧になっていると思います」


目標にしている女優がいる。40歳以上も年上のキムラ緑子(64)の名前を挙げた。


「昔から憧れているのはキムラ緑子さん。どのドラマにも出られていて、カメレオン俳優さんかなって思っていて。またこの人出てる、みたいな感じの方なので、そういう風になれたらいいなと思います。私も、そこそこ大人になってきて、脇を固める俳優の皆さんの輝きみたいなものにすごく憧れるようになりました。脇を固めて、ちゃんと支えられる女優になれたら。今回も、本当にベテランの俳優の皆さまに助けられた作品でもあるので、その皆さまみたいになれたらいいなと思います」


主演でも脇でも輝ける女優が目標だ。【小谷野俊哉】


◆豊田(とよだ)ルナ 2002年(平14)7月17日、埼玉県生まれ。19年(令元)に「ミスマガジン」グランプリ。21〜22年、テレビ東京系「ウルトラマントリガー」ヒロイン。趣味は読書、お菓子作り、サッカー観戦。特技は韓国語とクラシックバレエ。161センチ。血液型O。


▼映画「シーシュポスのまなざしたち」 黒田真優(豊田)が在籍する大学では、ドキュメンタリー作品の制作を行う授業があった。真優は、高校時代に男性教諭・新田(細田善彦)が男子生徒・野島(門間航)へ不適切な性的行為をしてしまう不祥事を起こした事件をテーマにすることを提案する。週刊誌の記事、当事者の実名をさらすSNSの投稿などから当事者である野島の人生が変わってしまった経験をドキュメンタリーにする監督を務めることになる。


真優は当事者の野島を放送部の先輩として慕い、好意を抱いていた。だが、野島はその騒動をきっかけに学校に来ることがなくなり、普通の生活ができなくなってしまう。いきさつに理不尽さを感じていた真優は、わずかきっかけでうわさやSNSの情報などに影響されてしまう集団心理の危うさを検証し、情報社会に警笛を鳴らすような作品を目指すつもりだった。


だが、撮影や関係者の取材を進めるにつれ、その騒動を掘り起こすことを地域として歓迎していないことを肌で感じる。自身の構想通りに取材が進まなくなり、当時は知らなかった事実や、忘れてしまっていた騒動にまつわる自身の行為、野島の知らない一面、そして不適切な性的行為を行った新田と野島の関係を知っていくことになっていく。

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