バラーノでシェイクダウンを実施したマクラーレンMCL-HY マクラーレン・エンデュランス・レーシングのエグゼクティブ・ディレクターであるジェームズ・バークレーによれば、マクラーレンは『MCL-HY』のテストプログラムにおける「次の段階」に入ろうとしており、同氏はすでにLMDhベースのプロトタイプの走行開発に向けたスケジュールを確保しているという。
5月4日から5日にかけてイタリアのバラーノでロールアウトを成功させたマクラーレンは、今月末にイモラ・サーキットで最初の本格的なテストを実施する予定だ。
プジョーから移籍したミケル・イェンセンと、英国ブランドのふたりめのドライバーとして発表されたローレンス・ファントールがこのテストに参加する。バークレーによると、これを皮切りにヨーロッパ各地でのテスト走行が行われ、今年後半には中東でのテストも計画されている。
同氏はWEC世界耐久選手権第2戦スパ6時間レースの現場で、集まった記者団に対し次のように語った。
「その観点から言えば、我々は優れたテストカレンダーを持っており、現在の計画はそれを無事にこなしていくことだ。道のりは長い。通常のテストもある。各テストは2、3日または4日間であり、今年は耐久テストも予定している」
「走行すべき距離は膨大であり、それを一歩ずつ進めていくつもりだ。最初のステップは順調に進んでいるが、今後さまざまな困難に直面することは百も承知だ。それが開発というものだ」
バークレーは、今年のテストスケジュールはすでに「組み上がっており、すべて予約済み」であることを明かした。「それはWECのカレンダーに含まれるサーキットと、テスト会場として非常に適しているサーキットを組み合わせ」であると彼は説明した。
「ポルティマオが良い例だ。あのトラックの特性は我々のテストにとって非常に有用であるため、そこでテストを行う予定だ。シーズンカレンダーに載っているかどうかは重要ではない」
彼はまた、年間を通じて複数の耐久テストを予定していると付け加えた。「シェイクダウンを終えた今、次の焦点は、個別の日程のテストでマシンに充分な負荷をかけることだ」と彼は述べた。
「最初は1日だけのテストを行うことだけに集中する。プログラムの次の段階をクリアして手応えを感じたら、本格的な耐久テストに移行する。最初の耐久テストはかなり早い時期に開始するつもりだ。なぜなら、問題点や弱点がないかを確認する必要があるためだ」
「24時間や30時間のテストを初めて試みた際に、20時間を経過して初めて現れるような新たな問題を突然発見するような事態を避けるため、できるだけ早く実施したいと考えている」
「それがこのスポーツの本質だ。22時間まで非常に効果的で速く、効率的であったとしても、23時間目や24時間目に失敗してしまえば、あまり意味がない」「だから、我々はできるだけ早くそこへ到達したいと考えている」
バークレーは、運営パートナーであるユナイテッド・オートスポーツからのスタッフ配置は「ほぼ完了」しており、今月中に確定させるべき「最終的な役割」が、主にレースエンジニアリング側に数名残っているだけだと述べた。彼は、チームの規模を100名弱になると見積もっている。
■若手ドライバーをテストで活用
現在のところ、2027年のレースドライバーとして確定しているのは、前出のイェンセンとファントールのみだが、マクラーレンは開発段階において、ドライバー育成プログラムのメンバーであるグレゴワール・ソーシーとリチャード・フェルシュホー、そして長年ユナイテッドのドライバーを務めるベン・ハンリーも起用する予定だ。
「チームに若手が加わるのは良いことだ」とバークレーは述べた。「私たちは1、2年だけここにいるわけではない。我々は、より長期的な視点で物事を見ている。キャリアの若い段階にあるドライバーが周囲にいることは、長期的にはプラスであり、彼らにテストプログラムをサポートしてもらえるのは素晴らしいことだ」
「現時点で、経験豊富なハイパーカーのドライバーをフルラインアップで揃えようとしても、彼らには他のレース契約があるため、テストプログラムに参加させることはできない」
「ミケル(・イェンセン)のような選手がチームに加わってくれるのは素晴らしいことだが、同時に、将来的に我々とともに活躍できる可能性のある若いドライバーや、テストプログラムをサポートする機会を持つ若いドライバーもいる」
マクラーレンの開発ドライバーの誰かが来年のレースシートを獲得する可能性があるかどうかをSportscar365が尋ねると、バークレーは「まだなんとも言えない」と答えた。
「彼らが我々と一緒にテストをしているという事実は、その機会を得るための最良の場所にいるということでもある」と彼は述べた。「今は実行すべきテストプログラムがあり、それが焦点だ。我々が達成すべきことを達成するのを助けてくれるドライバーを求めている。それが極めて重要だ」
「レースドライバーに関する最終的な決定は、このプロセスを進めていくなかで下されることになるだろう」
[オートスポーツweb 2026年05月23日]