三井不動産レジデンシャルが販売した大型マンションの1棟が傾いたことで、ずれが生じた渡り廊下=2015年10月、横浜市都筑区 横浜市都筑区の大型マンションが傾斜したのは不適切なくい打ち工事などの施工不良が原因として、販売元の三井不動産レジデンシャル(東京)が三井住友建設(同)など施工3社に対し、全4棟の建て替え費用など約505億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、東京地裁であった。徳増誠一裁判長は「全棟建て替えは過剰だ」と判断し、補修費用などとして3社に計約14億円の支払いを命じた。原告側は控訴する方針。
ほかの被告2社は、日立ハイテク(同)と、くい打ち工事を担当した旭化成建材(同)。
徳増裁判長は、施工不良は補修工事で対処可能だったと指摘。マンションは倒壊しないとの外部団体の見解も示されていたのに、三井不動産側は住民説明会で提示した全棟建て替えの方針を見直さず維持したと判断した。一方、補修や住民説明会の費用については、3社に賠償責任が認められると結論付けた。
マンションを巡っては、2014年に4棟のうち1棟が傾いていることが発覚。その後、くいの一部が固い地盤に届いていなかったことや、旭化成建材によるデータ改ざんも判明し、国土交通省が3社を行政処分した。16年に全4棟の建て替えが決まり、21年に工事が完了した。
判決を受け、三井不動産は「請求と大幅な相違がある。控訴審で主張を展開していく」とコメント。旭化成建材は「信頼回復に向けた取り組みを進める」とした。