アキュラ撤退によって参加マニュファクチャラーが減少するIMSAだが、他の参戦チームからは今後より強力なグリッドになっていくよう期待の声が上がる IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPクラスに参戦しているメーカーやチームは、来年2台のエントリーが減少すると見込まれているものの、2028年までに同クラスのエントリー数が現在の規模に戻る、あるいはそれを上回ることを期待している。
現在、このシリーズのトップクラスには5つのマニュファクチャラーから計11台が参戦しているが、シーズン終了後にアキュラがGTPへのワークス参戦から撤退するという発表がなされたことから、その数は4ブランド、グリッドは9台に減少する見込みとなっている。
これに対し、WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスでは現在17台が参戦しており、8つのメーカーが活動している。WECでは、フォードとマクラーレンが新たに加わることで、来年は少なくとも19台、最大で21台が参戦する見込みだが、シグナテックの将来については、BYDや他の中国メーカーとの提携の可能性も含めてまだ確定していない。
フォードとマクラーレン、そして同じくWECに新規参入するジェネシスは、GTPクラスでのフルシーズンまたはシーズン途中からの参戦に向けて準備を進めているが、いずれも早くても2028年まではデビューしないものと考えられている。
「ジェネシスが2027年の参戦を見送ることを事実上確認したという記事を読んだ」と、BMW Mモータースポーツのディレクター、アンドレアス・ルースはSportscar365に語った。
「私の知る限り、2027年の選手権には明らかに4つのメーカーしか参加しないことになるだろう。明らかに理想的ではない。とはいえ、IMSAの競争レベルは極めて高く、レースも依然として非常に素晴らしいものだとは思う」
「もちろん、参加数がこれよりさらに減らないよう、注意を払わなければならない」
「ジェネシスやフォード、あるいはその他のメーカーが2028年に参戦してくれることを強く期待しており、そうなればIMSAにはふたたび素晴らしい参戦メンバーと競争が戻ってくるだろう」
BMWは、キャデラックやポルシェとともに、少なくとも2027年シーズン終了までIMSA GTPシリーズへの参戦を継続することを再確認している。
キャデラック・レーシングのプログラムマネージャー、キーリー・ボスンは、アキュラの撤退によって同社の姿勢は変わっていないと述べた。
「キャデラックがこのシリーズに対する見方を変えたとは言い難い。ただ、シリーズにとっては残念なことだと感じる。我々は常に最高のチームと競い合うことを目指しており、彼らと競い合えないのは少し残念だ」
IMSAのグリッドに4台目のキャデラックVシリーズ.Rが加わる見通しについて尋ねられたボスン氏は、現時点ではその計画はないと答えた。
「当然ながら、我々は3つのチームを擁し、すでに(世界全体で)5台のマシンを運用しており、管理すべきことが山積みになっている」と彼女は語る。
「IMSAにおける将来を見据えても、我々は現在と同じ方向性を維持していくつもりだ」
■新規参入にもっとも近いのは韓国メーカーか
LMDhブランドの中で唯一カスタマーカーを提供しているポルシェ・モータースポーツの責任者、トーマス・ローデンバッハはSportscar365に対し、来年GTPクラスに新たな963が参戦する予定は把握していないと語った。
これは、先月ウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカで開催されたGTPレースで、JDCミラー・モータースポーツがプライベートチームとして初めて優勝を果たし、成功を収めたにもかかわらずのことだ。
「適切なレベルでそれを実現するには、多額の資金が必要だ」とローデンバッハはSportscar365に語る。
「(JDCミラーの成功に)顧客チームが勇気づけられたとしても、それを賄える資金力が必要になる」
一方、ハート・オブ・レーシングのチーム代表イアン・ジェームズは、アストンマーティン・ヴァルキリーへの参戦が長期的なプロジェクトであることを認めつつも、WECにおいてV12エンジンを搭載した同車が「定期的に、やや競争力がある」と指摘した。
ジェームズは以前、Sportscar365に対し、同車が北米で「一貫して競争力を発揮できるようになるまで」、同シリーズにおけるヴァルキリーの参戦を2台体制に拡大しない意向を明かしていた。
LMH(ル・マン・ハイパーカー規定)ベースのプロトタイプは、同プラットフォームの公認重量より10kg軽い状態で走行することになるが、これはIMSAの技術チームが、マシン間の競争条件をより公平にするために一丸となって取り組んだ結果であると見られている。
「IMSAには現在、取り組むべき課題がいくつかある」とジェームズはSportscar365に語った。
「うまくいけば、そのクラスについて何らかの改善が行われることを期待している。私たち全員が、このクラスがより強くなることを望んでいる」
「短期的には、どのメーカーが参戦してくるのか、正直なところ見当がつかない。長期的には、存続の可能性は高まっていると思う。内部的には、このクラスを本当に強力なものにするために取り組むべき課題がある」
一方、ジェームズは、次にこのシリーズに参戦するマニュファクチャラーとしてはジェネシスがもっとも可能性が高いと考えているが、フォードやマクラーレンもアメリカでレースを行う姿を見たいとの希望を表明した。
「ジェネシスは、すぐに使える予算があるようだから、もっとも有力な候補になるだろうと思っていた」と彼は語った。
「マクラーレンが、まったく別のプログラムを立ち上げる準備をするかどうかは分からない。それは彼ら次第だ。フォードについては、これまで見てきたとおり、彼らは本当にやりたいことを、やりたい時にできる」
「それらのメーカーがすべて参戦してくれたら素晴らしいだろう」
■「あらゆる参入者を歓迎する」とIMSA代表
IMSAのジョン・ドゥーナン代表は、FIA国際自動車連盟およびACOフランス西部自動車クラブと提携して2030年に向けた画期的なトップクラスの統一レギュレーションを最近発表した一方で、とくにLMHマシンを擁するメーカーやエントリーチームに対し、短期的にはIMSAへの参戦門戸が依然として広く開かれていると述べた。
「各チームが準備を整え次第、発表が行われるだろう。しかし、我々は『あらゆる参入希望者』を受け入れる準備ができている」と、彼はル・マンの場でSportscar365に語った。
「現行のレギュレーションは2029年末まで有効であるため、IMSAのレースには現在のLMH参戦チームのいずれも引き続き歓迎するつもりであり、現在と同様に各プラットフォームのバランスを調整していく」
Sportscar365が以前に報じたとおり、イソッタ・フラスキーニ『ティーポ6 LMH-C』の新たな運営主体であるハイクラス・レーシングは、早ければ来年にも参戦する可能性について関心を示している。ただし、同ブランドが現在世界中で量産車の販売を行っていないことを踏まえると、その車両が参戦資格を満たすかどうかは不明である。
[オートスポーツweb 2026年06月25日]