2026年FIA F3第4戦シュピールベルク 日本人初のPP獲得を果たした山越陽悠(VAR) 6月26日(金)に行われた2026年FIA F3第4戦シュピールベルクの予選。予選セッション終了後にFIA F3主催の予選後会見が行われ、日本人ドライバー史上初となるFIA F3のポールポジジョンを獲得した山越陽悠(VAR)らが登壇した。
「言葉で表現しきれないほど素晴らしいことです。(前戦)バルセロナは良いパッケージで、自信もありました。レッドブルリンクでもバルセロナからの勢いが続いていることは良いことですね」と、初ポールポジション獲得した心境を聞かれた山越。
「最後のプッシュでミスをしてしまいましたが、とにかくポールポジションをキープできるように祈っていました。ポールポジション獲得が決まった瞬間の気持ちは言葉では言い表せません。本当に嬉しいです。特にFIA F3史上初めて、日本人ドライバーのポールポジション獲得ですから、本当に素晴らしい気分です」
コーナー数は10と少なく、全長も4.326kmと短いレッドブルリンク。それだけに予選ではコース上での混雑が予想された。セッション前半に1回目のアタックを終えた暫定11番手の山越は、ライバル勢のほとんどが最初のプッシュランを終えてピットに戻るタイミングで2セット目のタイヤに履き替えてコースに戻った。結果的にライバル勢がいないクリアな環境下で臨んだ2セット目のタイヤでのアタックがポールポジションに繋がった。
「タイヤを2セット使うことは当初の“プランA”ではありませんでした。しかし、最初のプッシュでトラックリミット違反を犯してしまい、ラップタイムが無効になりました。最後のプッシュは渋滞で混乱するだろうと予想していたので、念のため1セットタイヤを交換することに決めました。実際、コース上は(渋滞で)かなり混乱しましたし、(2セット目のタイヤでの)タイムはポールポジションを獲得するのに十分なものでした」と、山越。
また、今回のポールポジション獲得はVARにとって、FIA F3で4年ぶりのポールポジション獲得となった。その時のドライバーは現在アルピーヌからF1に参戦するフランコ・コラピントだ。『自身、そしてチームにとってどのような意味を持つポールポジションですか?』と尋ねられた山越はこう答えた。
「正直、ルーキーイヤーの今年中にポールポジションを獲得できるとは予想していませんでした。昨年、FIA F3ではカンポス・レーシングとトライデントが強力だったことは周知の事実ですし、今年も彼らが強いだろうと考えていました。しかし、チーム(VAR)はシーズン序盤から本当に素晴らしい仕事をしてくれました。そのおかげで自信を抱き、スピードを取り戻せたのだと思います」
2022年からFIA F3に参戦するVARだが、チームランキングのベストリザルトは昨年の5位という成績だった。しかし、今季は開幕3戦を終えた時点で、カンポス・レーシングに続く暫定2位につけている。またドライバーズランキングでは、ブルーノ・デル・ピノが選手権3位、エンツォ・デリニーが選手権6位、そして山越が選手権7位と、いずれも好位置につけている。
FIAヨーロピアンF3選手権とGP3が統合され、2019年から始まったFIA F3。日本人ドライバーでは角田裕毅、岩佐歩夢がそれぞれ1回の優勝を記録している。ただ、ふたりともリバースグリッド制のレースでの優勝だった。そのため、予選グリッド順でスタートするフィーチャーレースにおいて、日本人ドライバーは未だ優勝を記録できていない(前身のひとつであるGP3では、福住仁嶺がポール・トゥ・ウイン1回を含む2勝を飾っている)。
山越とVARの好調が、日本人ドライバー初のFIA F3フィーチャーレース優勝に届くか否か。注目の第4戦フィーチャーレースは28日(日)の日本時間15時40分より開催される。
なお、27日(土)の日本時間17時5分からは、予選結果の上位12台がリバースグリッドとなるスプリントレースが行われる。スプリントレースでは、中村仁(ハイテック/TGR-DC)が4番グリッド、りー海夏澄(ARTグランプリ)が5番グリッド、加藤大翔(ARTグランプリ/HFDP)が6番グリッド、山越が12番グリッドからスタート予定だ。
[オートスポーツweb 2026年06月27日]