肺血管壁を厚くするたんぱく質=難病で特定、抗体で血流改善―新診断、治療法に期待・千葉大と順大

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2026年07月06日 21:01  時事通信社

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時事通信社

 心臓から肺に血液が流れにくくなり、全身の酸素不足を招く厚生労働省指定の難病「肺動脈性肺高血圧症(PAH)」で、肺の血管壁を異常に厚くするたんぱく質が特定された。千葉大と順天堂大の研究チームが6日までに米医学誌サーキュレーション・リサーチ電子版に発表した。

 このたんぱく質「MYL9(ミルナイン)」は、患者が重症になるほど血中濃度が高くなることが分かり、早期の高精度な診断に役立つと期待される。

 MYL9は血液の血小板のほか、肺血管の異常な内皮細胞から放出され、微小な血栓を形成して血管壁を厚くする。MYL9に結合して働きを妨げる抗体をマウスに投与すると、血栓の形成や内皮細胞の異常増殖が抑えられ、血流が改善した。

 千葉大の平原潔教授らは2022年に、新型コロナウイルス感染症で亡くなった患者の肺血管を調べたところ、血栓が形成され、多量のMYL9が沈着していたと発表。その後、ヒトのMYL9に結合する抗体も作製した。平原教授はこの成果を応用し、「肺高血圧症の新たな診断法だけでなく、治療法も開発したい」と話している。

 PAHの初期は安静時の自覚症状がないが、体を動かすと息苦しさやだるさ、疲れを感じるようになる。心臓から肺に血液を送る肺動脈の血流が悪くなり、高血圧になるためで、心不全に至る例もある。肺血管を広げる薬や肺血管の平滑筋細胞の増殖を抑える薬があるが、高齢の患者が増えており、早期の診断が求められている。 
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