「日本のドライバーはリスペクトが高い」スヴェン・ミューラーに聞く日欧の文化の違いとスーパーGTの魅力

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2026年07月07日 21:20  AUTOSPORT web

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スヴェン・ミューラーがドライブする666号車seven x seven PORSCHE GT3R EVO 2026スーパーGT第2戦富士
 

 今季2026年、スーパーGTへの復帰を果たしたスヴェン・ミューラーは、日本のGTシリーズを世界トップレベルの舞台だと語る。藤波清斗とコンビを組み、GT300クラスで666号車seven x seven PORSCHE GT3R EVOをドライブする彼に、スーパーGT参戦の醍醐味や日本への敬意、世界へ挑む日本人選手への想いまで、6月末に行われたスパ24時間の現場で聞いた。

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⎯⎯今季はスーパーGTへ久々にカムバックされましたが、あなたにとってスーパーGTの魅力とは?

スヴェン・ミューラー(SM)「スーパーGTには2017年と2018年の2年間参戦し、その後はヨーロッパで多くのレースに出場していたのだが、今年は日本に戻ってレースができることを本当にうれしく思っている。なぜなら、スーパーGTは世界のGTレースの中でも、もっとも素晴らしい選手権のひとつだからだ」

「僕が一番感銘を受けているのは、スーパーGTのレース文化で、公平なレースは本当に素晴らしい! GT500とGT300の2クラスが混走するレースは、僕にとって本当に特別なものだ」

「そしてもちろん、タイヤ開発も非常に素晴らしいテーマだと考えている。僕はNLSニュルブルクリンク耐久シリーズやニュルブルクリンク24時間レースで、ファルケンタイヤの開発に携わっているので、タイヤ開発の現場のことはよく理解している。だからこそ、スーパーGTのような大きなレースで、タイヤメーカー各社が高い情熱を注いでタイヤ開発に尽力し、それが勝負に大きく関わるということは昨今のモータースポーツでは考えられないスケールだと思っている」

⎯⎯そんな“タイヤ戦争“ですが、今シーズンを持って終了し、来季2027年からはワンメイクになることがアナウンスされていますね。

SM「路面状況に応じてソフト、ミディアム、ハードなど、それぞれ適したタイヤがチョイスできたのはドライバーとしては非常に良いのだが、ワンメイクになれば各チームの実力差はさらに縮まると考えている」

「GTワールドチャレンジ(GTWCヨーロッパ)のようになって、それはそれでエキサイティングなレースになるんじゃないかな」

⎯⎯スーパーGTに参戦する外国人ドライバーで、日本に居住する選手と毎回通う選手がいますが、あなたはどちらですか?

SM「僕は残念ながら毎戦ドイツから通っているんだ。スーパーGTの他にもファルケン/ダンロップからNLSやGTWCヨーロッパのエンデュランス・カップなどにも参戦しているから、ドイツにいる方が便利なんだ」

⎯⎯パートナーを日本へ連れてくることもあるのですか?

SM「残念ながら航空券の価格が非常に高騰している関係で、まだ彼女を連れて来日できていなんだ。彼女とは今年の9月に結婚をする予定なので、いつかゆっくりと僕の好きな日本を見せてあげたいと思っているよ」

⎯⎯日本のレース文化が気に入っているとのことでしたが、日本とヨーロッパではレース文化はそんなに大きく違うものでしょうか?

SM「間違いなく日本とヨーロッパは大きく違うと思うよ。ヨーロッパのドライバーは、日本のレース文化から学ぶべきことが多いのではないだろうか。なぜなら、ドライバー同士のリスペクトが非常に高いからだ。レース中の接触はほとんどないし、まったくないことだってある」

「一方、ヨーロッパのレースではドライバーの運転が非常に激しい。残念ながら6月のGTWCヨーロッパのモンツァ戦では、スタート直後にもあまりにも激しいクラッシュが発生し、その影響が顕著に表れたんだ。僕たちのドライブするマシンも誰かから当たられてしまい激しく破損し廃車状態になり、新しいマシンを購入せざるを得なくなった」

「車両のみならずエンジンの損傷も激しかった。そのモンツァの大クラッシュによってレースを台無しにされただけではなく、予期せぬ出費を余儀なくされたチームは金銭的にも大損失を負ってしまったんだ」

「だからこそ僕の日本のドライバーへの尊敬と信頼は非常に高く、僕も彼らと同じ気持ちでスーパーGTへ臨んでいる。スーパーGTでは激しいレースも公平だし、いくつかのコーナーをサイド・バイ・サイドで戦うようなバトルが繰り広げられているので、それはファンにとっても良いのではないかと思う」

「しかし、5月の富士では僕が他車と少し接触してしまい10秒のタイムペナルティを受けた。ドライブしている側としては気付かないほどの接触だったけれど、ルールはルールで僕の完全なミスだった」

「激しいレースがあたり前のヨーロッパでは、決してそれくらいではペナルティは受けない。だから、非常に厳しい判断だとは思ったけれど、僕の接触に対する判定にはそれなりの理由があったのだから、それを尊重する。改めて気を引き締めてレースに臨まなければならないと思ったよ」

⎯⎯あなたから見たスーパーGTのチームメイトのことについて教えてください。

SM「seven x seven Racingでコンビを組んでいるのは藤波清斗だ。彼は2022年にリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-RをドライブしてGT300クラスのシリーズチャンピオンを獲得した実力派の選手だ。僕と同世代で話も合うし、清斗とレースをするのはとても楽しいよ」

「長年ニッサンをドライブしていた彼は、最初こそ『ポルシェとの相性に苦戦している』と言っていたけれど、いまではすっかりポルシェに馴染んでおり、非常に高いレベルを発揮している」

「僕たちはまだ今シーズン一度もポディウムには立てていない。だが、シーズンのできるだけ早い内にそれを叶えられるよう、チームと清斗と一緒に努力を続け、少しでも上を目指したいと思っている」

⎯⎯コロナ禍を経て、ここ数年はNLSやニュル24時間に日本人選手が参加することが随分と増えました。日本人ドライバーと海外のレースで戦えるというのはどういったお気持ちでしょうか?

SM「もちろん、ドイツの地元チームはコースやタイヤの特性をよく理解しているのでアドバンテージは大きい。だから、日本のチームやドライバーがニュルやスパといったコースでレースをしたい場合は、少しハンデがあるのも理解している」

「しかし、僕はスーパーGTに参戦していて日本人ドライバーのレベルの高さを充分に肌で感じているので、彼らとヨーロッパでも一緒に戦えるのは非常に喜ばしいことだと思っている」

「なぜなら、ニュル24時間やスパ24時間には世界最高レベルのGTドライバーたちが集まっているんだ。そのなかで日本の強いドライバーたちと競い合える機会があるのなら、それはとても素晴らしいことだよね」

「清斗がニュルに来てくれる日が来るのなら、僕はとてもうれしいし、スーパーGTと同様に一緒に走ってみたいね」

[オートスポーツweb 2026年07月07日]

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