大阪・関西の生命科学分野に世界が注目 万博レガシー引き継ぐ国際展示会

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2026年07月10日 10:10  OVO [オーヴォ]

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大学スタートアップを含む44社が出展したWHX OSAKA2026の大阪パビリオン

 再生医療やバイオものづくりなどの分野で先進的な研究が多く行われ、産学官の連携も盛んな大阪・関西。7月2〜4日に大型展示場「インテックス大阪」で行われたライフサイエンス・ヘルスケア分野の国際展示会「WHX OSAKA2026」には、最新技術を活用したソリューションを発信し、世界との連携を探る医療系企業、スタートアップ、研究者らが国内外から集結した。


 「WHX OSAKA2026」は、昨年6月に大阪・関西万博に合わせて初めて開かれた国際展示会「Japan Health」を引き継いだ。大阪府の吉村洋文知事は開会式のあいさつで、「万博のレガシーとして、大阪のライフサイエンスを強め、発信し、世界の課題解決に資していく」と強調。国際イベントを通じて、大阪・関西発の研究開発や技術の社会実装を国境の垣根を超えて進めるための取り組みを続けると意欲を示した。

 会期中は医療業界の関係者やバイヤーら8000人余が来場。出展した364社・団体のうち約4割はアジア、欧米などからの外国勢と、海外からの関心の高さをうかがわせた。

▽大学発スタートアップの強み

 国際的に関心が高まる人工知能(AI)の医療活用。大阪大学発のスタートアップ「JiMED」(大阪府吹田市)は、意識はあるが、体を動かせなくなった人の脳に小型計測器を埋め込んで、コンピューターとつなぐシステムを紹介した。計測で得られた高解像度の脳波をAIで解読し、その人の望む外部操作を実現する。


 同社によると、病気や交通事故で意思伝達や運動に支障を来す患者の数は、世界全体で年間約415万人。「今この瞬間に困難と闘っている人が、パソコンを操作したり、車椅子を動かしたり、人とコミュニケーションできたりすることを目指している。すべての人が自分の意志で積極的に社会参加できるインクルーシブな社会をつくりたい」(中村仁代表)。世界でも、同型システムの実装はこれからだ。JiMEDは今年度内に臨床試験を始める予定で、会場では台湾の病院関係者が盛んに質問を浴びせていた。

 同じく大阪大学発スタートアップのイムノセンス(大阪府吹田市)は、手のひらに乗るサイズのスティック状専用センサーを使い、唾液や血液などの体液わずか1滴から免疫状態を測ることができるシステムを商品化した。独自の免疫測定法により、専門機関でしかわからなかった指標が約10分後に分かり、スマートフォンに表示される。


 作原久美セールス/マーケティングディレクターは「在宅医療や往診が増えると予想される中、このシステムを使い、医師が患者のベッド横で検査してすぐ結果が分かり、必要な治療が早くできるようになれば」と話す。海外に目を向ければ、病院で検査をしても数日データが得られない国も。「所得水準が上がり、生活習慣病の患者が増えているアジアなどの地域でも貢献できると考えている」(作原さん)。心血管系の疾患を中心に測定対象を広げており、近くオーストラリアで臨床研究を含む事業展開も検討している。

 研究が集積している関西は、大学発スタートアップが活発なのが特徴だ。大阪産業局の公表データによると、2024年時点で大阪の大学発スタートアップは384社と全国第2位。京都・兵庫を合わせると、600社近くにのぼる。

▽関西のクラスターを大きく

スタートアップを支援する大阪大学医学部附属病院・未来医療開発部未来医療センターの名井陽教授・センター長は「個々の企業が海外に出ていくことも大事だが、京阪神、奈良などのクラスターに海外から人が入り、技術に投資することで事業が大きくなり、世界に出ていくのが一番理想的。ぜひ、いろいろな人に入ってきてもらい、(この地に)技術が集まってくることが大事」と語った。


 今回のWHX OSAKAでは、JiMEDやイムノセンスらスタートアップを含む44社が出展した大阪パビリオンをはじめ、韓国、台湾、中国、オーストラリア、欧州連合(EU)も商談スペースのある独立したパビリオンを構え、ビジネスや研究での連携の可能性を探った。医療系機器、関連サービスを外販する大手企業、研究機関などもブースを設置。医療DXの可能性やスタートアップエコシステムのあり方について、各国の専門家が意見交換するトークイベントもあった。


▽国際会議も併催

 併催された国際会議「WHX Leaders OSAKA」には、タイ、マレーシア、韓国などアジアや中東の保健担当閣僚、政府関係者、研究者、企業代表ら約200人が参加。日本を含む各国の代表が、医療政策・規制のあり方や産業の国際展開について意見交換した。


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