WEC初優勝を飾りトロフィーを受け取る15号車BMWのドライバーたち。左からドリス・ファントール、ケビン・マグヌッセン、ラファエル・マルチェッロ(BMW MチームWRT) 2026年WEC第4戦サンパウロ WRTのチーム代表であるヴァンサン・ボッセは、BMWが最速のマシンではなかったにもかかわらず15号車MハイブリッドV8のクルーが「完璧な」レースを遂行したとして、とくにケビン・マグヌッセンによる力強い第1スティントが7月12日に行われた『サンパウロ6時間レース』での勝利のカギであったと称賛した。
BMW MハイブリッドV8は、マグヌッセン/ラファエル・マルチェッロ/ドリス・ファントール組の活躍により、WEC世界耐久選手権での2度目の勝利をインテルラゴス・サーキットで達成している。
15号車BMWは4番手からレースを開始したが、マグヌッセンがスタートで3番手の36号車アルピーヌA424(アルピーヌ・エンデュランス・チーム)を抜き去ると、その後ターン6でアール・バンバーに対してアグレッシブな仕掛けを見せ、予選でフロントロウを独占したハーツ・チーム・JOTAの2台のキャデラックVシリーズ.Rの間に割って入った。
これにより、最初のルーティン・ピットストップで38号車と12号車の両キャデラックがタイムをロスした際、BMWはつけ入る隙を得るかたちとなり、最終的に51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)に2.254秒の差をつけて勝利を収めることができた。
マグヌッセンの働きについて問われたボッセは、「彼は最初のスティントで素晴らしい努力をし、ポジションを奪取した」とSportscar365に語った。
「我々のドライバー全員が信じられないほどの仕事をしてくれたが、ケビン(・マグヌッセン)の最初のスティントが“カギ”だった。スタートで我々にトラックポジションをもたらしてくれたのは明らかだったからね」
ボッセは、ペースを持っていた12号車キャデラックが最初のピットストップでトラブルに見舞われず集団の中に沈まなかった場合にBMWが勝利できたかどうかについては「何とも言えない」と認めつつ、次のように付け加えた。
「我々のクルマは最速ではなかったが、完璧なレースをした。接戦だったが、それで充分だった」
マグヌッセンは、2022年にハースF1の衝撃的なポールポジションを獲得した思い出深い地であるブラジルのインテルラゴスで、自身初のWEC勝利を挙げたことを喜んだ。
「ここに来るたびに、ブラジルのファンから今でも素晴らしい応援を受けている」
「ハースでポールポジションを獲った時、我々はアンダードッグ(勝ち目の薄いチーム)だったが、観客の歓声は凄まじかった。彼らはとてもクールで、翌日のドライバーズパレードでも、7度のワールドチャンピオンたちの隣に座っている時でさえ、彼らは僕の名前を叫んでいた」
「感動したよ。それは僕の心を動かした。彼らの応援を見るたびに胸が熱くなるんだ」
前戦ル・マン24時間レースでノーポイントに終わり、第2戦スパではレネ・ラスト/ロビン・フラインス/シェルドン・ファン・デル・リンデ組の姉妹車20号車BMWに対し僅差の2位で勝利を逃していた15号車のクルーにとって、この結果は格別にうれしいものだった。
「スパでは自分たちが勝利への道を歩んでいると感じていたが、姉妹車が目の前でそれを掴んだ」と語ったマグヌッセン。
「もちろんBMWにとってワン・ツー・フィニッシュは素晴らしいことだったが、我々としては少し(優勝を)奪われたような気分だったので、今日こうして勝利を手にできて本当にうれしい」
ファントールがチェッカーフラッグを受ける栄誉に浴したが、彼は体調を崩しており、最終スティントを充分に楽しむことができなかったという。
「コクピットの中での気分は最高とは言えなかった。あまり体調が良くなく、少しめまいがして、胃の調子も悪かった」
「だから、チームのためにマシンを無事に持ち帰れたことがまずはうれしい。この勝利についても、とにかくうれしい。僕たちにとって、これは長い時間をかけた努力の賜物だ」
このレースの結果、マグヌッセンとマルチェッロはドライバーズランキングで6位に浮上。ランキング首位タイのラスト/フラインス組および7号車トヨタのトリオとは25ポイント差だ。ファントールは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権との日程重複により開幕戦イモラを欠場したため、チームメイトと6ポイント差のランキング7位となっている。
[オートスポーツweb 2026年07月13日]