バリアのカバーをフロントに引っ掛けた状態で走行する51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ) 2026年WEC第4戦サンパウロ ジェームス・カラドは、ピットレーン出口でバリアに衝突し、フェラーリにとってブラジルでのハイパーカークラス初表彰台を危うく逃しかけた「肝を冷やした瞬間」について、マシンにダメージがなかったのは「幸運だった」と認めた。
7月12日に開催されたWEC世界耐久選手権の第4戦サンパウロ6時間レース。イタリアのメーカーがインテルラゴスでこれまで苦戦してきたにもかかわらず、アントニオ・ジョビナッツィとアレッサンドロ・ピエール・グイディは、カラドが最後の2スティントを引き継ぐ前に、51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)を優勝争いへと導いていた。
しかし、この日初めてマシンに乗り込んだカラドは、ピットを出る際にミスを犯し、バリアに突っ込んでしまう。その結果、フェラーリのフロント部分にスポンサーロゴのバナーが覆いかぶさったが、幸いにも被害は軽微な表面上の損傷にとどまった。
このアクシデントにもかかわらず、彼は一時首位に立ち、最終的に15号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームWRT)に次ぐ2位でフィニッシュしている。
「明らかに少し気温が低かった。フリープラクティスでの参考値はあったが、それは適切な基準ではなかった」とカラドはSportscar365に説明した。
「マシンにダメージを与えなかったのは幸運だった。明らかにボラード(バリアのカバー)がマシンに張り付いていて、ドラッグ(空気抵抗)を感じたが、それほど大きな影響はなかった」
「難しい状況だった。車内では多くのことが起きていて、温度などを維持しようと努めていた。最終的にわずか2秒差でのフィニッシュは、チームにとって素晴らしい結果であり、非常に満足している」
カラドのピット出口でのミスはガレージにも不安を与え、フェラーリの耐久レースチームおよびトラック・オペレーション・マネージャーであるジュリアーノ・サルヴィは、「あれで寿命が数年縮まった」と認めた。
「路面温度は極端に下がっており、タイヤを温めるブランケットがない状況では、きわめてトリッキーだった」とSportscar365からアクシデントについて問われたサルヴィは語った。
「重大なアクシデントになるところだった。あれで数秒を失った。今にして思えば、あの数秒を失っていなければどうなっていたか……神のみぞ知るところだ」
「衝撃は非常に軽く、緩やかなものだった。すべてのデータをチェックしたが、深刻なダメージはなかったので、次のピットストップまですべてを確認しながら走行を続けさせた。実際に問題はなかった」
カラドは、499Pのこれまでの最高成績が4位だったコースで、フェラーリがこれほど強力なパフォーマンスを見せるとは予想していなかったと認めた。
サルヴィは、チームが「3つのセクターでより良いバランス」を確保するために、ツイスティなミドルセクター周辺でのハンドリング改善に特に注力したと説明した。
「過去2大会では苦戦した。ブラジル・ラウンドは通常ル・マンの後に行われるが、我々はル・マンに多くの力を注ぐ。そのため、過去のWECサンパウロは充分な注意を払っていなかったのかもしれない」と同氏は認めた。
「2年間は悪夢のようだったので、あらゆることを分析し、万全の準備をしてここに来た。手順や使用しているセッティングを分析しただけで、週末のスタート直後から、ドライバーたちが過去よりも明らかに満足していることが分かった」
サルヴィは、今回の好結果を「極めて重要」であると述べた。先月、メーカーとしてのル・マン24時間レース3連覇が途絶えたなか、今シーズンのブラジル戦前までに50号車と51号車の両ファクトリーカーが一度ずつしか表彰台に登っていなかったためだ。
「ランキング首位のトヨタや同2位のBMWとのポイント差を縮め、つねに目標としているリードする立場に戻るためにも、攻めの姿勢でシーズン後半戦に臨みたい」と彼は付け加えた。
[オートスポーツweb 2026年07月15日]