
「暑くてキッチンに立ちたくない」「頑張って何品も作る気力がない」……夏の自炊はどうしても億劫になりがち。『ワタナベマキの大人はこんな自炊でいい』(主婦の友社)は、料理家歴20年以上のワタナベマキさんが、手間をかしこく省きながらグンとおいしくなる“アップデート自炊術”をまとめた一冊です。この記事では、本書のエッセンスと「水晶鶏」と「蒸しなすのごまだれ」のレシピをご紹介します。
「暑くて料理したくない」——夏が近づくたび、そんな気持ちになる人は多いのではないでしょうか。コンロの前に立つだけで汗が吹き出す季節、それでも毎日の食事はやってきます。
そんな悩みに応えてくれるのが、料理家歴20年以上のワタナベマキさんの新刊『ワタナベマキの大人はこんな自炊でいい』(主婦の友社)。多忙な日々や年齢による変化を経てワタナベさんがたどり着いたのは、「頑張って品数を作る」従来の自炊からの卒業でした。
「手抜き」ではなく、かしこい手間カット
本書のキーワードは「かしこく手間を省く」こと。手を抜くのではなく、作りやすくしたうえで、むしろ素材の味が引き立ちおいしくなる——そんな工夫が74品のレシピに詰まっています。
たとえば、味の決め手は塩と油だけの「塩油」。あれこれ調味料を合わせなくても、素材の旨味を最大限に引き出せます。そして電子レンジは「手抜き」ではなく「最適解」。ほうれんそうや大根、なすの下ごしらえをレンジにまかせれば、湯を沸かす手間も、コンロの前に立つ時間も大幅にカットできます。
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長年の試行錯誤から生まれた「台所の知恵」は、どれも今日から真似できるものばかり。ここからは、この夏にぴったりの2品を見ていきましょう。
▼鶏むね肉は「砂糖をもみ込む」でしっとりやわらか。「水晶鶏」
ヘルシーで家計にもやさしい鶏むね肉。ただ「パサつきやすい」と敬遠している人も多いはず。ワタナベさんの答えは、調理の前に少量の砂糖をもみ込んでおくこと。砂糖の働きで肉の組織がやわらかくなり、加熱してもかたくなりにくいのだそうです。
そのプロ技を体感できるのが「水晶鶏」。かたくり粉をまぶしてゆでた、透明感のあるつるんとした見た目からこの名前がついています。ごまみそ風味のからしだれは、蒸し野菜や豆腐にかけてもおいしい万能だれ。つるっとした喉ごしで、食欲が落ちる日にもうれしい一品です。
▼火を使わずレンジで2分。「蒸しなすのごまだれ」
続いては、コンロを一切使わない一品。なすは電子レンジでの蒸し調理に特に向いている野菜で、皮をむいてラップで包んでチンするだけで、ふっくらみずみずしく仕上がります。炒めたり揚げたりするより油の吸収を抑えられるのもうれしいところ。
しかも、なすは薬膳の視点では、暑さに疲れた体を癒やし、むくみをとってくれる食材なのだとか。国際中医薬膳師の資格を持つワタナベさんならではの、夏に食べたい理由のある一皿です。濃厚なごまだれをまとった蒸しなすは、ごはんのおかずにもおつまみにもぴったり。
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夏だけじゃない。一年中頼れる「自炊の教科書」
今回は夏にうれしい2品をご紹介しましたが、本書に載っているのは夏限定のレシピではありません。レンジで下ごしらえするふろふき大根、具材2つだけのなべ、乾物の活用術など、季節を問わず一年中頼れるアイデアが満載。
いつもの親子丼や肉野菜いため、ハンバーグといった定番おかずも、ちょっとした工程の見直しでグンとおいしくなる——そんな発見が続く、まさに「自炊を楽しむ教科書」です。
「料理はもっと作りやすくなる→自炊の幅が広がる→自炊が楽しくなる→また作ろう!」。ワタナベさんはそんな"自炊スパイラル"が起こることを願って、この本を作ったといいます。
暑さで自炊の気力が落ちてきたら、まずはこの2品から。あなたの自炊も、きっとアップデートされるはずです。
著者紹介
ワタナベマキさん
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料理研究家。「素材の味をシンプルに活かし、旬を大事に」をモットーに活動を続ける。国際中医薬膳師の資格も持ち、食と体の関係を考えることも近年のテーマのひとつ。梅干しなど日本古来の季節の手仕事、発酵食、韓国やベトナムといったアジアの食文化、そして世代別の作りやすく食べやすい調理提案など、アンテナの方向は幅広い。折々で料理教室も主宰している。
書籍情報
『ワタナベマキの大人はこんな自炊でいい』
著者:ワタナベマキ
出版社:主婦の友社
定価:1,870円(税込)
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