加熱式たばこを吸う男性=資料 厚生労働省は受動喫煙対策の見直しで、加熱式たばこへの規制強化を見送った。ここ10年ほどで普及した加熱式についての調査結果では、健康への影響は「科学的知見の蓄積が不十分だ」とされ、研究を継続することとなった。
厚労省の専門委員会は昨年11月から、健康増進法の見直しを検討してきた。同法は、加熱式について「健康への影響が明らかではない」として、飲食店などの喫煙室で飲食もできる経過措置を適用。専門委では、喫煙室で飲食不可とされる紙巻きたばこと同様の規制に引き上げるべきかが議論された。
同省の研究班は国内外の論文を精査し、5月に専門委に結果を示した。
これによると、喫煙者が直接吸い込む主流煙は、紙巻きより加熱式の方が発がん物質やニコチンを多く含む場合があると判明。心血管疾患やニコチン依存との関連が「強く懸念される」としたが、発がん性はデータが少なく判定できなかった。
たばこから立ち上る副流煙についても、屋内で加熱式を使用した場合、発がん物質など有害物質が空気中に増加し、受動喫煙の原因となることが分かった。ただ、発がん性への影響は知見がない。呼吸器系や心血管系へのデータも少なく、「影響が示唆される」とするにとどまった。
同省は、加熱式について「紙巻きと比べて健康影響が軽減されるという証拠はない」としており、重要な知見が得られれば規制を再検討する。