クマ対策用のカメラを設置する作業員=5月19日、仙台市青葉区 多くの観光客を引きつける夏の風物詩、東北三大祭りに、出没が相次ぐクマが暗い影を落としている。「中止にはしたくない」。全国から訪れる人に安心して楽しんでもらうため、主催者らは会場周辺の警備を強化するなど対策に力を入れる。
200万人以上の来場を見込む「仙台七夕まつり」の舞台、仙台市。4〜7月のクマ出没件数は216件で、前年同期より4割増えた。河川敷の茂みに身を隠し、川沿いに市街地まで来る傾向があり、4月には市役所の約1キロ先に体長約1.5メートルのクマが約10時間とどまる事態も発生した。
事務局の仙台商工会議所によると、クマが近寄らないように、今月6〜8日の期間中は毎朝、会場近くの川沿いで約1時間、電子ホイッスルを鳴らす。河川敷の20カ所に忌避剤入りのボトルも置き、観光案内所にはクマスプレーを配備。引きつける要因になるごみなどを放置せず、持ち帰るようにSNSなどで来場者にも呼び掛ける。
ただ、いずれも初めての取り組みといい、「何が正解か手探りの状態」(担当者)。決め手となる対策がない中、クマ対策用カメラが姿を捉えると、市や警察に加え、今回、主催者側にもメールが届く態勢を構築した。会場から最大約1キロの範囲に出没した場合、祭りの中止も検討する方針という。
秋田市で6日まで続く「秋田竿燈(かんとう)まつり」では、市職員が期間中、午前と午後の1日2回、クマスプレーを手に会場周辺をパトロールする。クマが目撃された場合、会場との距離に応じ、「来場者にアナウンスする」「中断・中止を検討する」などと3段構えで対応する。
一方、7日までの6日間で約100万人の来場が見込まれる青森市の「青森ねぶた祭」は、会場から約1キロ圏内にクマが出没した場合、「中止も検討する」と決めたほかは目立った対策を取っていない。
「太鼓やはやしの音が大きく、クマが近づくのは考えにくい」との意見があることに加え、ねぶたを運行するコースは約3.1キロと長く、主催者は「警戒に当たるには範囲が広過ぎる」と対策の難しさを訴えている。

クマ対策の電子ホイッスルと案内板=4日、仙台市青葉区

クマ対策の電子ホイッスルを手にする「仙台七夕まつり」の担当者=4日、仙台市青葉区

秋田市で行われている「秋田竿燈まつり」=3日