警察庁=東京都千代田区 匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)が使う秘匿性の高い通信アプリの内容を遠隔解析し、犯行計画を事前に把握する新たな捜査手法の法的課題を検討する警察庁の有識者会議は2日、「現行の捜査手法では暗号化された通信内容の解明は困難で、被害防止に遠隔解析が必要」とする提言骨子をまとめた。裁判所による許可令状取得などを要件にしており、9月中にも最終提言を公表する。同庁は警察官職務執行法の改正などの作業を急ぎ、早期導入を目指す。
遠隔解析は憲法の定める通信の秘密やプライバシーに関わるが、同会議は適正な手続きの下では、必要な限度で措置を行うことは憲法上認められると判断した。郵便物の差し押さえや通信傍受を例に、明確で詳細なルール設定と司法による事前審査を設けることが必要とした。
骨子などによると、都道府県警の捜査でトクリュウが使用しているとみられる通信端末を特定した場合、裁判所に事前に許可令状を請求。請求や解析作業は警察庁が指定したサイバーなどの専門知識を持つ「遠隔解析担当官」が行う。アクセスした端末から犯行計画が判明すれば、警察は標的周辺のパトロールなど被害防止措置を執る。
アクセス方法は明らかにしていないが「犯人側に察知されず、所在場所が不明でも情報取得を可能にするもの」としており、捜査目的でのマルウェア(悪意のあるプログラム)使用や端末への侵入などが想定される。