「顔が可愛くないから“実力派”って書かれて…」北乃きい(35)が明かす「今でも自信が持てない理由」

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2026年09月03日 09:20  日刊SPA!

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北乃きい 
撮影/望月ふみ
「きいちゃん」といまだ愛称で呼ばれることも多い北乃きい(35歳)。13歳で芸能界に入り、活躍を続けてきた。
 今期ドラマでは『さよならノワール』の初回ゲストに登場。その演技力の高さが改めて評判になったが、クライマックスを迎える主演ドラマ『未婚詐欺 私の知らない彼の顔』(藤原樹とのW主演)では、夫の裏切りに翻弄され変貌していく妻を演じて話題を集めている。

 いまだ女優業を「向いていない」と感じているという北乃が、自身のコンプレックスや、迷いながらも進み続ける正直な心のうちを語った。

◆スカウトのきっかけは“横顔”だった

——近年は特に演技力、実力が高いという評価をされることも多いですね。

北乃:顔が可愛くないから実力派って書かれて、見た目だけではなく、お芝居を見ていただけているのかなと思っています。それぞれ悩みはあると思うのですが、私には絶世の美女みたいな役はきません。それは自分でもよくわかっているし、実力を見てもらえているんだったら嬉しいことだと、今は思っています。

——「今は」というと、自信を持てなかった時期もあるのでしょうか。

北乃:自信のなさはずっとあると思います。最初に「横顔が良かったから、じっくり見て確認して声をかけたよ」と言われて「横顔がきっかけ?」と思って。

——スクリーンに映る際も、たしかに横顔は重要かと。

北乃:私はそれを知らなかったし、「横顔を見てスカウトしたの? え?」となって。横顔がいいって女優さんにとってはすごいことらしいんですけど、当時はよくわからなくって(笑)。写真に写る時とかも「正面でいいのかな?」と思っていた時期がありました。

だって芸能界に入る前の自分としては、正面が可愛ければいいじゃないですか、身長もそうだし。でも、だから女優さんの事務所なんだなと。360度キレイじゃなきゃダメなモデルさんと違って、その時その時のカットで見られる女優さんならではの視点なんだなと。年齢を重ねてから思いました。

——随分後になってから褒め言葉だったんだと受け入れられるように?

北乃:もちろんけなされたとは思っていませんでしたけど、まだ若かったので。でもその言葉で、横顔が好きになった時期がありました。曲を出したこともあるのですが、CDジャケットも、横を向いてます(笑)。

◆月9ゲスト出演の裏にあった「減量の努力」

——直近のドラマ『月夜行路』や『さよならノワール』、少し前の『嘘解きレトリック』へのゲスト出演も話題になりました。特に『嘘解きレトリック』の役は衣装なども可愛くて本当にぴったりでした。

北乃:あれはメイクさんと衣装の力ですね。カツラかぶっていて、素敵に仕上げていただいたので、自分では別人みたいな感覚でした。もう見た目なんか何にも見えてないですよ。

——いやいや、そんなことありませんよ。

北乃:原作があって、それにむけて減量したんです。当時のモダンガールの資料も見たんですけど、みんなスレンダーでかっこよくて。私もあの時代がすごく好きで、着こなしたいって思ったんですけど、身長がちっちゃいので、そこはなかなか難しくて。

——とてもお似合いでした。

北乃:ゲストだから遊べたというのはあります。ちょっとチャレンジできる役柄で。メイクさんとか衣装さんとか、いろんな人から「衣装良かった」「メイク良かった」と言ってもらえて、嬉しかったです。事務所の後輩の(鈴鹿)央士とも一緒に芝居をしてみたかったので、実際に共演できて楽しかったです。

◆順風満帆に見えても「ブレイクした感覚はない」ワケ

——改めて、デビューから21年ほど経ちましたが、初期から活躍されてきて、主演映画『幸福な食卓』では多くの賞を受賞するなど、傍からは順調な滑り出しだったように映ります。

北乃:周りからは「下積みがない」とよく言われるんですけど、オーディションはたくさん落ちています。本当にたくさん落ちてきてるんです。それでも確かに「順風満帆で売れたよね」と言ってもらえることが多くて……。私自身は、売れたという感覚もないし、ブレイクしたという感覚も、正直まだないんですけど。

——いまだに?

北乃:私の上の世代って、上戸彩さんとか、戸田恵梨香さんとか、長澤まさみさんとかがいらして。そうした方たちがブレイクって言うんだろうなと。同じ土俵で比べちゃいけないんですけど、どうしても頭の中にいるんです。

◆「向いていない」と悩む北乃きいを救った寺島進の言葉

——以前のインタビューで、スペシャルドラマ『アンフェア the special ダブル・ミーニング──二重定義』で寺島進さんとW主演された際のエピソードに触れられていましたね。「向いてないかも」と思う時期があって相談したと。

北乃:「向いてないかも」とは、今でも思っています。だけど寺島さんが「向いてる向いてないは、自分で決めることじゃない。それは見ている人が決めるものだ。俺も今でも思うけど」と。そう言ってもらったから、「そうか、自分で決めることじゃないんだな」と思えるようになりました。

——ご自身がスカウトで入られたことも関係しているのでしょうか。

北乃:多分そうです。「自分はこれをやりたいんだ」「できると思う」「ここで輝きたいんだ」というベースを持ってこの世界に入ってきた人と、スカウトで入った自分とではやっぱり違う。賞をいただいたりしても、事務所やスタッフさん、キャストの方々が新人の頃からよくしてくださったから、という感覚なんです。

——それでも、現在も求められ続けています。

北乃:ありがたいです。寺島さんの言葉をちゃんと受け止めて、今も大事にしています。

◆放送中の主演ドラマは「最後はスカッと」

——いまは主演ドラマ『未婚詐欺 私の知らない彼の顔』が放送中です。

北乃:全8話の中に起承転結があって、最後はスカッとする内容だったので、演じている側も救いのあるテーマだなと思いました。不倫をテーマにしたドラマは多いですけど、今回は裏切られた女性たちが結託して、最後にどうなるのか、女性たちの強さや復讐のしかたに注目してもらえたら面白いんじゃないかなと思います。原作も読ませていただいて、脚本が原作をリスペクトして書かれているのを感じたので、シーンごとに照らし合わせながら準備しました。

——演じた沙耶香は、どんな人物として捉えましたか?

北乃:すごく真面目で、芯が強くてまっすぐな人だと思います。一人でも生きていけるくらい強い人だからこそ、夫がいることが幸せな生活のスパイスになる、みたいな感覚で結婚したんだろうと思いました。最後は彼女自身も成長して、人間性が変わっていく役柄だと思います。最近、真面目な役が多かったのですが、今回いろんな表現ができる役柄で、楽しく演じることができました。

<取材・文・写真/望月ふみ>

【望月ふみ】
ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi

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