2026年FIA F3第8戦モンツァ スプリントレース表彰式 優勝加藤大翔(ARTグランプリ/HFDP)、3位山越陽悠(VAR)
9月5日、2026年FIA F3第8戦のスプリントレースがイタリアのモンツァ・サーキットで行われ、ホンダの若手ドライバー育成プログラムである『ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)』の加藤大翔(ARTグランプリ)がFIA F3初優勝を飾った。
2位に選手権リーダーのフレディ・スレイター(トライデント/アウディ育成)、3位に山越陽悠(VAR)が続き、日本人2名が表彰台登壇を果たす結果となった。
F1、FIA F2を目指す若手が参戦するFIA F3。2026年シーズンは日本から加藤、りー海夏澄(ARTグランプリ)、山越、中村仁(ハイテック/TGR-DC)の4名が参戦している。
金曜日に行われた予選結果(総合)は、海夏澄が2番手、加藤が4番手、山越が7番手、中村が29番手となった。土曜日に開催されたスプリントレースのグリッドは、予選上位12台がリバースグリッドとなるなか、日本勢は山越が6番グリッド、加藤が9番グリッド、海夏澄が11番グリッド、中村が29番グリッドからスタートした。
18周のスプリントレースの戦局が大きく動いたのは4周目だった。混戦模様のホームストレートでリバースポールのブランド・バドエル(ロダン・モータースポーツ)と、4番グリッドスタートのフェルナンド・バリチェロ(AIXレーシング)という、元F1ドライバーの息子同士が接触し、セーフティカー(SC)導入に。
7周目にレース再開を迎えた際、加藤が4番手、山越が5番手、海夏澄が8番手。そんななか、加藤は第1シケインでエルネスト・リベラ(カンポス・レーシング/レッドブル育成)をかわし3番手に浮上した。
モンツァの波乱はさらに続いた。9周目にトップに浮上したペドロ・クレロ(ロダン・モータースポーツ)が10周目のホームストレートで車両後方から白煙を巻き上げてストップ。これで加藤が2番手、山越が3番手に浮上するが、直後のターン3で山越が加藤をかわし2番手に浮上した。
また、クレロが第1シケイン手前のエスケープにクルマを止めようというタイミングで、第1シケインで中国出身のジェラード・シエ(ダムス・ルーカスオイル)と韓国出身のシン・ウヒョン(ハイテック)が接触。シエの車両が跳ね上がるアクシデントとなったが、両者は自力で車両を降りている。
これらのアクシデントで2度目のSC導入となり、レースは14周目にアレッサンドロ・ジュスティ(MPモータースポーツ/ウイリアムズ育成)を先頭に、2番手山越、3番手加藤、4番手リベラのトップ4オーダーでリスタートを迎えた。
リスタート直後の第1シケインで4番手リベラが加藤に仕掛けるが、リベラはターン1をオーバーシュートし、加藤が3番手を守る。そうして迎えた15周目の最終ターン11(クルバ・アルボレート)手前、DRS区間となるストレートで加藤がジュスティ、山越をかわしトップに浮上。さらに2番手に山越が続くかたちとなり、日本勢2名がレースをリードする。
リベラをかわしたスレイターが16周目の最終ターン11手前で一時的に山越の前に出るが、山越は続くホームストレートで2番手の座を取り戻す。
終盤は、加藤、山越、スレイター、ジュスティのトップ4台の駆け引きに注目が集まった。ファイナルタップのターン1手前でスレイターが2番手に浮上し、山越は3番手に後退。ジュスティはオーバーシュートし、ポジションを上げることは叶わず。
一方の加藤は最後まで首位を譲ることなくトップチェッカーを受け、悲願のFIA F3初優勝を飾った。加藤にとっては開幕戦メルボルンのフィーチャーレース(3位)以来となる表彰台登壇となった。なお、今季のFIA F3では中村に続く日本人2人目のウイナー誕生となった(いずれもスプリントレース)。
スレイターが2位、山越が3位となり、日本人2名が表彰台に登壇することに。中村は29番グリッドから追い上げて13位、海夏澄は終盤に車両を降り、完走扱いの24位となった。
スプリントレース終了後、加藤はFIA F3のインタビューで「ここ数戦はパフォーマンス面でかなり苦戦していたので、今回の結果は本当に大きな意味があります。僕自身にとってもチームにとっても歯がゆい状況が続いていましたが、メルボルン以来となる表彰台にようやく戻ってくることができました」とコメント。
「ずいぶん前のことのように感じますが、勝利をつかむための走りはしっかりと覚えていました。本当に素晴らしい気分で、言葉もありません。レースを通じてマシンは最高の仕上がりでした。チーム、エンジニア、メカニック、そしてすべてのファンの皆さんに感謝を伝えたいです。多くの努力とサポートのおかげですし、モンツァで走れることに心から感謝しています」
[オートスポーツweb 2026年09月05日]