
演歌歌手藤原浩(66)が新曲「ふりむき酒場/愛の終列車」を16日に発売する。戦後の歌謡界を牽引(けんいん)し、国民栄誉賞を受賞した作曲家遠藤実氏(08年に76歳で死去)の最後の内弟子としてデビューして33年。これまでの道のりなどを振り返ってもらった。3回連載の最終回。【取材・構成=松本久】
◇ ◇ ◇
−1994年(平6)に「真情」でデビューして33年。現在66歳。人生の半分がプロ歌手です。振り返っていかがですか
藤原 デビュー当時は、周囲から「考えられない遅咲き」と言われました。30歳で遠藤先生に弟子入りして、夢にまで見た歌手なのに同期は10代ばかり。オッサンは僕だけで苦痛もありました。ただそれから33年、休業をせずにやってきたことは自分でもすばらしいと思います。でも、その一方では誰もが知るヒット曲がないとだめなんだと思うんです。そこに到達できていない自分がいる。一番ありがたいのは、そんな自分を支えて応援してくれる人がいる。それがあるからこそ今があります。
−演歌不遇の時代と言われる昨今ですが、代表曲やヒット曲を目指したいという思いですね
|
|
|
|
藤原 そうです。遠藤先生からは「遠藤実の弟子になれただけで奇跡なんだぞ」と言われ、「お前の中低音はすごくいいんだから自信を持て」との温かい言葉もいただきました。でも、自分ではなかなかそうは思えないんです。
−内弟子時代に「歌手にならずに付き人として働き続ける選択肢もある」と言われました。それを拒みましたよね
藤原 はい。もしデビューができてもうまくいかないかもしれない。お前さえよければ、ちゃんと生活を保証するから付き人・側近として生きる人生もあるぞと。歌手になっても、自分で買い取ったカセットテープをキャリーケースに詰め込んで、手売りで売り歩く歌手人生かもしれない。すごく厳しいぞと。「どうする?」と聞かれて、「1度だけ(歌手になる)チャンスをください」とお願いしたんです。あの時に「先生の側でずっと…」となぜ言えなかったのか。(遠藤氏が死去してから18年となる)今でも思うことがありますね。
−自宅玄関には遠藤さんが書いて落款した文書が貼ってあり、「どんな曲をもらおうと不平不満を思わないで、魂を込めて、歌詞を明確に伝えて格好をつけないで歌うこと」と書いてあるとか
藤原 はい。毎日見ています。後悔してばかりの人生ですが、あんなに有名な、国民的な作曲家の弟子になれただけでもありがたいこと。これからもファンの皆さんに応援をしていただける歌手でいられるように精進していきたいと思っています。
|
|
|
|
◆藤原浩(ふじわら・ひろし)1960(昭35)6月23日、岡山・赤磐市生まれ。23歳の時に遠藤実氏にスカウトされたが家庭の事情で断念。30歳で弟子入りし、3年の内弟子をへて94年に「真情」でデビュー。翌年の松尾芸能賞「歌謡芸能新人賞」など多くの新人賞を受賞した。178センチ。血液型B。
◆ソングコンテスト 日本作曲家協会と日本作詩家協会が共同企画する作詞・作曲コンテスト。最初に詞を募集し、最優秀の2作品を課題詞として曲を公募。グランプリと準グランプリを決める。
|
|
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2026 Nikkan Sports News. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。