2026年FIA F3最終戦マドリード 加藤大翔(ARTグランプリ/HFDP) 現地時間9月12日(土)、2026年FIA F3最終戦/第9戦マドリードのフィーチャーレース1が行われ、ブラジル出身のペドロ・クレロ(ロダン・モータースポーツ)が初優勝を飾った。
ポールポジションスタートの加藤大翔(ARTグランプリ/HFDP)は2位となり、ドライバーズランキング3位に浮上した。
2026年FIA F3最終戦マドリードは予選2回、スプリントレース1回、フィーチャーレース2回の特殊フォーマットで開催される。フィーチャーレース1のグリッドは予選1回目の結果順となり、加藤が自身初となるポールポジションを獲得。フロントロウ/2番グリッドにクレロが続いた。
日本勢は、中村仁(ハイテック/TGR-DC)が6番グリッド、山越陽悠(VAR)が17番グリッド、りー海夏澄(ARTグランプリ)が20番グリッドからのスタートとなった。
スプリントレース終了から約6時間後、19周のフィーチャーレース1は夕焼けが眩しい現地時間18時過ぎ、気温31度、路面温度49度のコンディションで開始された。
2番グリッドのクレロの蹴り出しがよく、ターン1で加藤から首位を奪う。2番手加藤、3番手トゥッカ・タポネン(MPモータースポーツ/フェラーリ育成)、4番手ウーゴ・ウゴチュクウ(カンポス・レーシング)、5番手中村のオーダーとなったが、1周目を終える前にレースは赤旗中断となった。
ターン7手前でエンツォ・デリニーとブルーノ・デル・ピノのVAR勢2台が接触し、彼らがコースを塞ぐかたちに。後続の車両は急ぎ減速するも、さらなるアクシデントは防げず、計7台の車両がレースを終えるかたちとなった。デル・ピノは「彼(デリニー)がスペースを開けなかった!」と無線を飛ばした。
リタイアした7台のうち、マチェイ・グラディシュ(ARTグランプリ)の車両は他車との接触のはずみで跳ね上がり、コースサイドの金網にコックピット側から接触。ヘイローがなければ大惨事に至っていた可能性もある、危険なアクシデントだった。グラディシュはクルマを降りる前に「一体何をやっているんだ?! 正気じゃない。なんなんだよ」と無線を飛ばした。その後、幸いにも全ドライバーの無事が確認された。
約30分の中断のあと、レースは3周目よりローリングスタートで再開された。ローリングスタートだったことで、クレロは難なく首位をキープ。4周目を迎えた段階ですでに加藤に1.2秒のギャップを築いた。
選手権首位のフレディ・スレイター(トライデント/アウディ育成)が入賞圏外の15番手を走るなか、12点差で選手権2位のウゴチュクウは、3番手タポネンの背後につき、プレッシャーをかけ続ける。タポネンはディフェンスラインを走ることになり、2番手加藤とのギャップがみるみると広がってしまう。
加藤はプッシュを続ける。ただ、クレロと加藤はお互いにファステストラップを塗り替えるような状況で、1秒の壁はなかなか縮まらない。そうして9周目を迎えたところで、クレロと加藤のギャップは2秒まで広がった。
9周目、ターン21で15番手を走るスレイターのリヤが流れ、ウォールにクラッシュ。これでスレイターの選手権首位陥落が決定的となった。このアクシデントでセーフティカー(SC)導入となる。
レースは12周目、残り8周で再開された。ただクレロに隙はない。14周目よりDRS使用可能となり、0.9秒差で14周目を迎えた加藤はこの周はDRSを得る。ただ、15周目は1秒差、16周目と17周目は1.2秒差、18周目は1.4秒差に。タイヤが厳しいレース終盤も、クレロは加藤とのギャップを広げた。
19周目を終え、クレロがトップチェッカーを受けて涙のFIA F3初優勝を飾った。ポールスタートの加藤は1.3秒差の2位。1.5秒差の3位にはタポネン(ファステストラップも記録)が続いた。日本勢の中村は5位入賞。海夏澄は13位、山越は15位となった。
タイトル争いはウゴチュクウが4位入賞で12ポイントを獲得。これでスレイターと同点の141ポイントながら、ウゴチュクウが選手権首位に返り咲いた。また、タイトルへの挑戦権はないものの、加藤が選手権3位に浮上している。
そして、このフィーチャーレース1の結果を持って、カンポス・レーシングが2年連続のFIA F3チームタイトル獲得を決めた。
2026年シーズンのFIA F3最後のレースとなる第9戦フィーチャーレース2は、13日(日)の日本時間16時45分より19周で行われる。2026年シーズンの王者が、このレースで決まる。
[オートスポーツweb 2026年09月13日]