2026年FIA F3第9戦マドリード/シリーズタイトルを獲得したウーゴ・ウゴチュクウ(カンポス・レーシング)
9月13日(日)、2026年FIA F3最終戦のフィーチャーレース2がスペインのマドリンクで行われ、トゥッカ・タポネン(MPモータースポーツ/フェラーリ育成)が初優勝を飾った。
シリーズタイトル争いは、ウーゴ・ウゴチュクウ(カンポス・レーシング)が2位でチェッカーを受け、2026年シーズンのFIA F3チャンピオンに輝いた。
2026年FIA F3最終戦マドリードは予選2回、スプリントレース1回、フィーチャーレース2回の特殊フォーマットで開催される。シーズン最後のレースとなるフィーチャーレース2のグリッドは予選2回目の結果順となり、タポネンがポールポジションを獲得。フロントロウ/2番グリッドにウゴチュクウが続いた。
日本勢は、加藤大翔(ARTグランプリ/HFDP)が4番グリッド、中村仁(ハイテック/TGR-DC)が14番グリッド、山越陽悠(VAR)が15番グリッド、りー海夏澄(ARTグランプリ)が22番グリッドからのスタートとなった。
ウゴチュクウと同ポイントながら、優勝回数差(ウゴチュクウ2回、スレイター1回)でランキング2位のフレディ・スレイター(トライデント/アウディ育成)は8番グリッドスタート。是が非でもウゴチュクウの前でチェッカーを受けなければ、タイトルには届かない状況だった。
気温20度、路面温度29度、湿度44パーセントとなるなか、19周のフィーチャーレース2はスタートを迎えた。これまでマドリンクで開催されたFIA F3とFIA F2のレースは、いずれも2番グリッドスタートのドライバーがターン1でホールショットを奪うと、そのままトップを守り切る展開だった。
ただ、ポールシッターのタポネンはスタート直後からウゴチュクウに対するディフェンスラインを取り、ターン1のホールショットを死守することがかなった。
前日のフィーチャーレース1でスタート直後に大きなアクシデントがあったこともあり、この日は各車慎重なスタートを見せ、スタートからしばらくはトップ5の順位に変動はなかった。一方、8番グリッドスタートのスレイターはイェヴァン・デイビッド(AIXレーシング)にかわされ、9番手にポジションを下げてしまう。
加藤はスタートから4番手を守るが、このままタポネンがトップでチェッカーを受ければ、ランキング3位から3点差の4位に後退してしまう状況となった。加藤は3番手ペドロ・クレロ(ロダン・モータースポーツ)のDRS圏内をキープするが、“抜けないマドリンク”でタポネンを先頭に27台がトレイン状態となり、勝負を仕掛ける隙が見当たらない。
上位勢の均衡状態が続くなか、スレイターは5周目のターン1でアウトからデイビッドを抜き、8番手を取り戻す。続けて7番手エンツォ・デリニー(VAR)の背中を追うが、スレイターが飛び込む隙はどこにもなかった。
一方、2番手ウゴチュクウは優勝にこだわることはない。スレイターの前でチェッカーを受ければ、シリーズタイトルはウゴチュクウが手にする。そしてフル参戦2年目のタポネンは、ようやく掴んだFIA F3初勝利のチャンスをかたちにするべく、淡々と首位をキープした。
そして、タイヤコンディションが厳しくなり、各車のタイヤマネジメントの差が如実に現れるレース終盤の17周目、13番手の山越がターン8のコース上にストップし、セーフティカー(SC)導入に。
レース終盤だったことで、レースは再開されないかと思われた。ただ、コースオフィシャルとコックピットの山越は素早く車両をエスケープゾーンに収め、ギリギリでファイナルラップでレース再開を迎えることが叶った。
19周目にリスタートを迎えたが、上位勢のポジションは動かなかった。フェラーリ育成のタポネンが参戦2年目で悲願のFIA F3初優勝を飾った。ウゴチュクウが2位。クレロが3位で続いた。
日本勢は加藤が4位で入賞。中村は15位、海夏澄は19位。そして山越はリタイアとなった。
タイトル争いの2名が同ポイントで最終レースを迎えたなか、ウゴチュクウが2位、スレイターが8位となり、ウゴチュクウが2026年シーズンのFIA F3チャンピオンに輝いた。チームチャンピオンは、前日のフィーチャーレース1終了時点でウゴチュクウらを起用するカンポス・レーシングが獲得している。
ウゴチュクウは2007年4月23日、アメリカ・ニューヨーク生まれの現在19歳。ナイジェリア出身の母はニューヨーク進出後に成功を収めた著名モデルのオルチ・オンウェアグバ。父はイタリア出身のファッションデザイナーという家に生まれた。
2024年のマカオGP・FRワールドカップ勝者であり、2021年から2025年まではマクラーレンの育成メンバーだった。また、192cmと高身長であることも知られている。
2026年は育成無所属となっているが、アルピーヌF1のTPCで旧型F1マシンをドライブするなど、水面下では活発に動きを見せている。また、スレイターとは同じマネジメント会社ADDマネジメントの契約ドライバーだ。
選手権2位はスレイター、選手権3位はタポネン、選手権4位が加藤、選手権5位はテオフィル・ナエル(カンポス・レーシング)となった。なお、加藤の選手権4位という結果は、2019年より始まったFIA F3においては日本人過去最高の結果(これまでは2019年の角田裕毅/選手権9位が日本人最上位だった)となる。
なお、FIA F3では2025年より、ドライバーズ選手権の上位5名に対し翌年のFIA F2に昇格することを条件とし資金を付与しており、今年度もこの取り組みは実施される。
2025年度は、チャンピオンに30万ユーロ(ピレリが提供する30万ユーロとは別)、選手権2位に25万ユーロ、選手権3位に20万ユーロ、選手権4位に15万ユーロ、選手権5位に10万ユーロが贈られた。なお、該当者が翌年のFIA F2に参戦しない場合は、次点のドライバーに賞金が贈られる。
[オートスポーツweb 2026年09月13日]