戸田恵梨香とともに、衣料用洗剤ブランド「アリエール」の新イメージキャラクターに起用。新TVCM「まるまり靴下篇」に出演している(P&Gジャパン合同会社リリースより) ネット上でさまざまな考察が繰り広げられたTBSドラマ『Tシャツが乾くまで』の最終話が放送(2026年9月11日)されたが、静かな中に激情をひた隠した中島歩の演技は全話を通じて目を見張るものがあった。
2026年8月30日放送の『日曜日の初耳学』(MBS)で林修と対談した中島歩は、俳優としてなかなか売れなかった時期、そこから巨匠監督と出会い、頭角を現すきっかけになった演技ワークショップなど、遍歴を語っていた。
ブレイク作となったドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)に出演した2024年以降、Netflix配信の注目シリーズ作など話題作への出演を重ねている。
中学時代に熱中したドラマ作品にまつわるエピソードも興味深かったが、ここで中島歩のキャリアを決定づけた作品について確認しておきたい。 “イケメン研究家”加賀谷健が解説する。
◆「そこで日本映画の人はだいたい知ってくれた」
自他ともに認める中島歩のブレイク作は、流行語にもなった2024年放送のドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系、以下、『ふてほど』)ということに一応なるのだが、彼が存在感を強めるきっかけになった作品は、2021年公開の映画『偶然と想像』からだろう。
3つの短編からなるオムニバス形式である同作は、毎年2月に開催されるベルリン国際映画祭(第71回)で、ワールド・プレミア作として世界初上映され、最高賞に次ぐ銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞した。
さらに、日本公開前の11月には、日本人監督にとってエリートコースでもあるナント三大陸映画祭(第43回)に出品され、見事グランプリ(金の気球賞)を受賞した。
『日曜日の初耳学』(2026年8月30日放送回)で林修と対談した中島は、こうした出演作の世界的快挙によって、「そこで日本映画の人はだいたい知ってくれた」と話していた。
◆業界内の“日芸”つながり
『偶然と想像』の濱口竜介監督との出会いは大きかったと思う。中島は、所属事務所主催の演技ワークショップで濱口監督と知り合い、ほどなくして『偶然と想像』の現場に呼ばれたらしい。ワークショップでは、他にも錚々たる名監督との交流を得ている。
『南極料理人』(2009年)や『キツツキと雨』(2012年)の沖田修一監督、『ローリング』(2015年)の冨永昌敬など、日本大学芸術学部出身監督が多い。何を隠そう、中島歩もいわゆる“日芸”の卒業生。
映画学科卒の沖田監督(撮影・録音コース)、冨永監督(監督コース)に対して、中島は小説や評論を学ぶ文芸学科卒だ。
冨永監督作『白鍵と黒鍵の間に』(2023年)で一人二役を演じた池松壮亮も監督コース出身者であり、先輩である中島とは在学時期がかぶっている。
そもそも中島が日芸という存在を知ったのも、演劇学科で学んだ爆笑問題のラジオ番組『JUNK 爆笑問題カーボーイ』(TBS)を高校時代に聴いたからだった。
今では両者はラジオでの共演歴があり、業界内での日芸つながりは結びつきが強い。
◆宮藤官九郎脚本作に熱中した中学時代
『不適切にもほどがある!』をオリジナル脚本として書き下ろした宮藤官九郎もまた、日芸ゆかりの人物である。『日曜日の初耳学』では、その宮藤脚本作『木更津キャッツアイ』(TBS系、2002年)に熱中した中学時代、入手したシナリオ本を読み込んだエピソードが語られた。
そんな中島が、20年以上もの時を経て、『不適切にもほどがある!』で憧れの宮藤作品に出演し、中学教師役を演じたのだ。しかもそれがブレイク作になるという、この夢のようなサクセスストーリー。
もちろんそこにたどり着くまでに、10年もの苦節の時期を過ごした。でもだからこそ、やっと掴んだチャンスに心からワクワクしながら、確実に物にできた実力は、やはりなるべくしてなる者の器が備わった人だからだろう。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
イケメン研究家 / (株)KKミュージック取締役
“イケメン研究家”として大学時代からイケメン俳優に関するコラムを多くの媒体で執筆。アーティストマネジメント、ダイナマイトボートレース等のCM作品やコンサートでのクラシック音楽監修、大手ディベロッパーの映像キャスティング・演出、アジア映画宣伝プロデュースを手掛ける。他に、LDHアーティストのオフィシャルレポート担当や特典映像の聞き手など。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。
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