
【写真】惹きこまれるような美しさ&色香! 倉科カナ、インタビュー撮りおろしショット
◆初共演の堺雅人のイメージは「キュートな方」
本作は、「トニー賞」、「ローレンス・オリヴィエ賞」等、名だたる演劇賞を多数受賞、イギリス演劇界を牽引する劇作家サイモン・スティーヴンスが、数年後の世界を舞台に書き下ろした新作戯曲。演出は、サイモンとはいくつもの作品で共にクリエイションを行うショーン・ホームズが務める。キャストには倉科のほか、主演の堺、伊勢佳世、迫田孝也、sara、小日向星一、高畑淳子、そして段田安則と人気と実力を兼ね備えた豪華な顔ぶれが集結する。
――サイモン&ショーンのタッグ、堺さんの17年ぶり舞台出演と注目度満点な本作。出演オファーをお聞きになったときのお気持ちはいかがでしたか?
倉科:海外の脚本家、演出家と共に舞台に挑むのが初めてなので、「どういった自分が引き出されるんだろう?」というのが未知ですごく楽しみでした。さらにキャストの皆さんの顔ぶれを拝見した時に、本当に百戦錬磨の素晴らしい役者さんばかりで。皆さんと一緒にお芝居をして、どんな化学反応が起きるのか挑んでみたい!と思いました。
――(取材時は)稽古が始まる前ですが、作品にはどんな印象をお持ちになりましたか?
倉科:脚本を読ませていただいたのですが、私の役柄がすごく難しくて、「どうしよう…」と、今ちょっと何も見えないような状況で(苦笑)。稽古に入らないとどんな作品になるのか分からないことがたくさんあるなって感じています。
戯曲自体は近未来的な要素があったり、少し社会派でもあったりするのですが、私、堺さん、伊勢さんが演じる私の姉のミカ、この3人の人間関係が魅力的に描かれた脚本なので頑張りたいなっていう思いと、私の役が「静」か「動」かでいうと「静」の要素が強いんですね。でも、内に秘めているマグマみたいなものもふつふつとあるので、それをどう表現しようか模索しています。
|
|
|
|
――夫役を演じる堺さんとは今回が初共演。堺さんにはどんなイメージをお持ちですか?
倉科:キュートな方というイメージです。どのCMを拝見しても、「なんでこの方がやるとこんなに可愛らしいのだろう?」と思って(笑)。作品で演じている堺さんには、CMでのイメージとはギャップがありますが、遊び心と実直さみたいなものを感じます。セリフもあまりNGを出されないとお聞きしますし、すごく実直でキュートな方なんじゃないかなと想像しています。
――そんな堺さんと今回は難しい関係の夫婦役を演じられます。
倉科:あまり作り込まずに、お互いがフラットな状態で夫婦に見えるような関係性を作りあげられたらうれしいですね。自然とそう見えるというのが一番いいなと思うので、コミュニケーションを取って作っていけたらいいなと。
あと、姉のミカとの関係性も物語の中では大切なので、堺さんとミカの関係がどう来るかで、私と堺さん夫婦の関係も決まってくると思うんです。その二組の対比みたいなものを考えて作っていきたいです。
――ご共演経験の多い高畑淳子さんもご一緒というのは心強い部分もありますか?
倉科:私は高畑さんのことを芸能界の母と思っていて。舞台でご一緒するのは初めてですが、いろんなことを間近で見て吸収していきたいと思っていますし、いろいろとご相談もできたらなと思っています。
|
|
|
|
――本作には人が見る夢をデジタル化し再現するガジェット「リープマインド」が登場したりと、近未来感あふれる世界観にも心ひかれます。
倉科:ここ10年、20年で本当に科学やテクノロジーが進んだなと感じていて。私が高校時代はまだガラケーでしたし、写真の画質も悪いし、検索するにしても遅いのが当たり前でした。でも今ではスマホできれいに写真を撮れるし、この間海外に行く機会があったのですが、自分のスマホを普通に使える時代になった。そうした進歩が当たり前になっているから、観てくださる方々もそんなに非日常のこととして捉えないような気がしています。
戦争の話も少し出てくるんですけど、今も世界では戦争が起こっていますし、この作品のような世界も「普通にそういう時って来るかもね」と身近に思えて、受け入れていただけるのではないかと感じます。そうした科学やテクノロジーなどの近未来の部分は堺さんが担っていて。ものすごい長台詞もあるんですけど、皆さんが納得するように提示してくださると思います(笑)。
――サイモンさんは本作について、「東京という街への私の愛情が込められている」とコメントされていました。倉科さんは今の東京をどう感じられていますか?
倉科:めくるめくっていう感じですね。渋谷の街を見ていても、人もすごいですし、建物もどんどん変わっていく。すごくきらびやかで、でもその裏では何かうごめいているものだったり、自分たちが知らないことがたくさん起きていて。表面と深層の差がすごくある場所なのかなと感じています。
――そんな物語の中で生きていくハナをどんな人物だと捉えていますか?
倉科:私が担っているのは「リープマインド」を巡る部分ではなく、私と堺さん、姉のミカ、3人の関係性のところになります。ミカはすごく感受性が豊かで、周りの人が見えてないようなところまで感じ、感情を出してしまい、それが突飛な言動に繋がったりする人物。私が演じるハナはどちらかというと、見ないよう、感じないようにしている。父との関係、義理の母との関係、堺さんのこと、姉のこと、いろんなことを考えて感じてはいるけれど、あまり表に出さずに抱えている。いろんな事実が分かったり、ショッキングな出来事があるんですけど、静かに爆発して、感情は出すけどそれでもやっぱり静かに生きていく。いっそクレイジーに爆発できたら本当に楽なんですけど、でもハナは受け入れられないとちゃんと伝えた上で、それでも抱えて生きていくという子なので、とても難易度が高いです。
――ご自身と似ている部分はありますか?
倉科:私自身すごく真面目で、結構模範的なところがあるので似ていると思います。自己主張ができて、感情に真っすぐなミカのように、いっそ壊れられたらと憧れる部分もあるんですけど…。
|
|
|
|
倉科:役によりますけど、楽しさでいうと自分と遠い方が楽しいです。いろいろと見つけていけるので、チャレンジの仕方の幅も広がるというか。やっぱり似ているとどうしてもその幅がちょっと狭くなってコアになっていくんですよね。真逆だと幅も深さもいろいろ試せるので楽しみで言うと、反対の方が楽しいです。
――今回のハナはまた何か違う楽しみもありそうです。
倉科:20年の芸歴を試されるような(笑)、久々にこんな難しい役をいただいたかもしれないです。
◆デビュー20周年 転機となった朝ドラと悪女役
――本作は『プレゼント・ラフター』に続いて、今年2作目の舞台出演となります。倉科さんにとって舞台で演じる楽しさはどんなところにありますか?
倉科:やっぱり稽古期間があるというのが一番ですね。キャストのみんなで読み合わせをして、分からないことがあったら演出家とキャストの皆さんとも共有できる。そうして時間をかけて一緒に作品を作り上げていくところは、舞台のいい部分だなと思います。稽古期間があるからいろんな挑戦ができるというのもありますね。いろんなアプローチができる稽古期間があるからこそ役がさらに深まる。キャスト同士のコミュニケーションが取れるのも魅力ですね。
技術面でも、照明がどう当たるのか、音楽がどこで入るのかが分かるのも舞台ならでは。「こっちの方がこの戯曲には合ってるかな」「こっちの方が役柄が引き立つかな」と、自分たちが音と照明に合わせて技術チームと一緒に作っていけるというのが、作品を作る上で透明性があって私はすごく好きです。
――先ほどお話がありましたが、今年デビュー20周年を迎えられます。振り返ると、どんな20年でしたか?
倉科:あっという間でした。でも、すごく大変だったなっていう思いもあります。
――特にどんな時期が大変でしたか?
倉科:同世代に魅力的な女優さんがいっぱいいらっしゃったので、オーディションを受けるんですけど、そうそうたる皆さんがそろわれていて、役をいただこうと努力しても、私はどこに行ったらいいの?という感じでした。役を掴み取るのが大変だった思い出があります。
そんな中、バラエティーやコント番組をいろいろやらせていただいて、できることは何でも挑戦しましたし、必死でいただいたお仕事に向き合って来たら20年経ったという感覚があります。でもその経験のおかげで、すごく充実した20年でしたし、他の方にはない強みがどこかに身に付いているのではないかとも思っています。
――ターニングポイントになった作品を挙げるとするとどの作品になりますか?
倉科:たくさんの方に知っていただいた朝ドラ『ウェルかめ』はターニングポイントですね。あとは、朝ドラの後に出させていただいた『名前をなくした女神』もそうですね。朝ドラのヒロインという清純派と言われるようなキャラクターから一転、悪女役をオファーしてくださったんです。そこから役柄の幅が広がったというか、悪女の役もたくさんオファーいただくようになって。自分にない要素でもありましたし、朝ドラをやってすぐに「悪女をやりませんか?」と言ってくださる、まだどんな人なのか分からない女優に可能性を見出して託してくださることにすごく喜びを感じました。たくさんの方に「あの作品が好きです」と言っていただくことも多くて、私にとってのターニングポイントに確実になっていると思います。
――今回の作品もまた新たなターニングポイントになりそうですね。
倉科:本当にやりがいのある作品になると思います。「私はどう思われるんだろう?」「どういう評価をなされるんだろう?」とすごく楽しみですし心配でもありますが、20年の経験をたっぷり注ぎ込んで稽古に挑みたいと思います(笑)。
(取材・文:佐藤鷹飛 写真:高野広美)
PARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』は、東京・PARCO劇場にて10月6日〜27日、岡山芸術創造劇場ハレノワ 中劇場にて11月6日〜8日、大阪・SkyシアターMBSにて11月12日〜23日、愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホールにて11月27日〜29日、宮崎・メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)演劇ホールにて12月3日〜6日、福岡・J:COM 北九州芸術劇場 大ホールにて12月10日〜13日上演。
