簗大臣が高市総理に辞表提出 なぜ今? 新たな疑惑報道も…地元は「このまま幕引きはいけない」【news23】

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2026年10月15日 14:59  TBS NEWS DIG

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TBS NEWS DIG

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“予算カット”発言やシャトルバスをめぐる問題で批判の高まっていた簗農水大臣。14日夜、高市総理に辞表を提出しました。総理は「任命責任を重く受け止めている」と語りましたが、一連の問題はこれで幕引きなのでしょうか。

【写真を見る】簗農水大臣 辞表提出後のコメント

簗農水大臣が高市総理に辞表を提出 就任1か月で

14日、高市総理との面会を終え報道陣の前に姿を見せた、“渦中”の簗和生農水大臣。

簗和生農水大臣(14日午後6時半過ぎ)
「今、総理に辞表を提出したところです。国会審議に迷惑をこれ以上かけるわけにはいきませんし、農林水産行政に集中できない状況が、これ以上続くことは避けなければいけないと考え、自ら決断いたしました」

大臣就任から1か月足らずで内閣を去ることになりました。

――辞任が今のタイミングになったのはなぜ?

簗農水大臣
「今、総理に話を私の方からお伝えした」

――総理は辞表を受理したか?
「私の方で辞意を伝えた」

力なく「辞意を伝えた」と繰り返す簗大臣。

――4週間での辞任について
簗農水大臣
「今辞意をお伝えしたということで、皆さんに伝えている」

――議員辞職はしないのか?
「…」

記者らの質問を遮り、官邸を後にしました。

“予算カット発言”で国会から追及 高市総理は「やなちゃん」と親密ぶりをアピール

2012年の衆院選で比例復活し、33歳で初当選した簗氏。国交大臣政務官や文科副大臣などを歴任しました。

しかし、2021年には自⺠党の会合で性的マイノリティーの人たちについて、「生物学上、LGBTは種の保存に背くもの」などと発言したことが問題になりました。

自⺠党の派閥の裏金問題をめぐっては、1746万円を政治資金収支報告書に記載していなかったとして、党の役職停止6か月の処分を受けました。

こうした簗氏を「やなちゃん」と呼び、親密ぶりをアピールしていたのが高市総理です。

9月の内閣改造で簗氏を農水大臣に任命しましたが、直後に明るみに出たのが、“予算カット”発言でした。

簗農水大臣(2026年5月自民党支部会合より)
「那須烏山市と那珂川町の、令和8年度の道路予算については大幅にカットしました」

国会では野党だけでなく、身内の自⺠党からも簗大臣への追及が続いていました。

その追及は、14日の予算委員会でも…

“無料シャトルバス送迎”問題を国会で追及 選挙管理委員会と主張が食い違い…

公明党 伊佐進一議員(14日衆院予算委員会)
「栃木選管の主張と、大臣の昨日の答弁との間で齟齬がある」

冒頭、野党が切り込んだのは、簗大臣の陣営が衆院選の出陣式で地元の有権者を無料のシャトルバスで送迎していた問題についてです。

13日午前の答弁では…

簗農水大臣(13日)
「スタッフが、選挙管理委員会にバスを借り上げをする前に確認をして、会場費の一部として計上するものと、そういった回答を踏まえて計上した、という報告を受けている」

このように説明しましたが、午後になると…

⺠主改革の会 山岡達丸議員(13日)
「私たちの方で、栃木県の選挙管理委員会に確認をさせていただきました。『問合せがあったとの記録は残っていない』と。そして、こうもおっしゃられました。やる前に聞かれたら実例判例集に基づいて、『違反になる』と答えるはずです」

選挙管理員会と簗大臣側の主張が食い違い、14日、野党は改めて簗大臣に答弁を求めました。

公明党 伊佐議員(14日)
「食い違いがあると、しっかり確認をしてほしいと申し上げた」

簗農水大臣(14日)
「収支報告書の作成にあたり、『収支報告書への計上の方法について照会をしたのかもしれない』と、当人から改めて報告を受けた」

公明党 伊佐議員(14日)
「つまり公選法に則って正しいかどうかという話ではなく、『会計上どうしますか』という相談をしたということか」

簗農水大臣(14日)
「そのように(秘書)本人も今申している」

簗大臣は「違法性の有無」ではなく、「収支報告書への計上方法を問い合わせた可能性がある」と答弁を修正しました。

新たに「事務所スタッフに選挙運動の報酬」疑惑も

また、簗大臣をめぐっては新たな疑惑も浮上。

一部週刊誌が、「簗大臣が事務所のスタッフに有権者への投票依頼の電話をかけさせ、報酬を支払っていた」と報じました。

公職選挙法では「選挙運動に対する金銭の支払い」を禁じていて、事実であれば公選法違反の疑いが出てきます。

国⺠⺠主党 村岡敏英 議員(14日)
「シャトルバス、さらに何か買収の疑惑ということで、電話がけの人に(金を)払ったというのも出てきた。大臣、どう見解しますか」

簗農水大臣(14日)
「ご指摘の様々な件につきまして、真摯に受け止めて、説明をしっかりと尽くしてまいりたいと思っている」

14日夜、簗大臣の辞表を受け取り、取材に応じた高市総理は…

――総理としては辞表を提出されて、どう感じているか?

高市総理(14日)
「実際、私が任命した。任命責任はもとより、内閣総理大臣である私にございます。大臣が辞任する事態に至ったことについて、任命責任を重く受け止めております」

――簗大臣から辞表の提出がなければ、続投させるつもりだったか
「それはきょう(14日)夕方会って、新たに報道されたこともあったので、説明を聞こうと考えておりました。特にそれによってどう判断するかを決めていたわけではございません」

“予算カット発言”名指しの那須烏山市 市長は怒りのコメント

簗大臣の辞表提出を受け、地元‧栃木3区の有権者は…

栃木3区の有権者
「とにかく誠意を見せるじゃないけど、市⺠たちが納得できる説明を一刻も早く会見を開いた方がいいと思う」
「説明責任とかは果たしてない。辞めてしっぽ切りみたいな感じ」

支援者からは落胆の声が上がっています。

――ニュースを見たときは?

簗農水大臣の支援者
「やっぱりなと。農家からするとショック。農業関係者は結構応援してたから」

また、予算カット発言で名指しされた那須烏山市の市長は…

那須烏山市 川俣純子市⻑
「大臣を辞任したからと言って、那須烏山市や那珂川町の住⺠に大きな不安を与えたことは事実であり、断じて許されるものではない。疑念は何一つ払拭されておらず、このまま幕引きされることはあってはならない」

なぜ今?高市総理「仕事で返せ」続投指示から一転「辞任」へ  

小川彩佳キャスター:
高市総理は「とにかく働いて仕事で返せ」と、続投を指示していました。それが一転して、なぜ辞任になったのか。

続投にこだわっていた総理の考えは、どの時点でどのように変わったのでしょうか。

TBS政治部長 岩田夏弥 政治部長:
高市総理は、9月の内閣改造でこれまでのやり方を変えました。自民党の多くの議員からアンケートを集めて、結果を自分で読み込み、ベストな布陣にした内閣です。最初の段階では、総理はなんとか乗り越えて続けさせたかった。

ただ、「仕事で返せ」と高市総理が言ったことで、高市総理周辺や自民党幹部、簗大臣自身も「早く辞めた方が傷が浅い」という進言を伝えづらい雰囲気がありました。

「なんとか続けさせて突破するしかない」という中で、14日に参議院で野党の全会派が問責決議案を提出することで一致しました。そうなると、消費税減税関連法案の審議入りの日程に影響が出てしまう。そのような中、完全に追い込まれて辞任に至ったということです。

藤森祥平キャスター:
14日、簗農水大臣からの辞表の提出を受理したため、辞めるということになっていますが、総理自身はこの問題をどう思っていたのでしょうか。

TBS政治部長 岩田政治部長:
最初の“予算カット発言”については、撤回や謝罪はさせたましたが、必要なのはそれだけではありません。

行政や政治への信頼を揺るがせる発言であり、その発言をした人を続投させようとした。それは総理の考えか、本当に正しかったのか、その説明がされていないので、野党側もそこは聞きたいところなのではないでしょうか。

藤森キャスター:
辞表を簗農水大臣が持ってこなかったら、このまま続投させていたのかという話に聞こえます。

TBS政治部長 岩田政治部長:
今回は国会の状況を踏まえると、そうは言ってられない状況に至ったということだと思います。

小川キャスター:
総理が自ら辞任させる方法をとらなかったのはどうしてなのか、という疑問が残ります。

TBS政治部長 岩田政治部長:
更迭すると、更迭される人を選んだ高市総理の任命責任の問題にもなりますので、それを避けたかったという面があると思います。

小川キャスター:
高市総理は無料シャトルバスの問題について14日、「仮に違法性があればそのときは躊躇しない」と発言しています。今回、辞任したなるとその違法性はあったと思っているのでしょうか。

TBS政治部長 岩田政治部長:
14日までの国会の中で、違法性の疑念が払拭されるような説明ができなかったということだと思います。法律違反をした可能性がある人が大臣に居続ける、というのはあり得ない状況だと思います。

残る“説明責任” 国民・玉木代表は“追及継続”の意思を表明

藤森キャスター:
高市総理は簗大臣の説明について、「私自身も含めて、十分にご理解を得られた内容だと思っていない。今度、いち国会議員として説明責任を果たしていただきたい」と言っています。さすがにこのままでは終わるわけにいきませんよね。

地域エコノミスト 藻谷浩介さん:
議員として残るのではあれば、当然です。無料シャトルバスの送迎問題もそうですが、やはり問題なのは、“予算カット発言”です。

もちろん政治家も言語道断ですが、役所側も問題だと思います。大臣の発言で予算をカットされたのかは分かりかねますが、結果的に大臣がそう発言するような、予算の極端な減額と増額があったということです。

その街で工事をする事業者は一生懸命道路を直しているのに、突然予算がガッと削られて仕事がなくなってしまいます。冗談じゃありません。しかも、市民のための仕事であるのに。

役所はこういったことをしてはいけないはずですが、政治家の責任とは別に役所のなかで誰が責任をとり、再発防止に努めるのか。那須烏山市が怒っていましたが、これでは真面目に行政できないと思うのではないでしょうか。

TBS政治部長 岩田政治部長:
国民民主党の玉木雄一郎代表は、辞職で終わりではない、行政の公正性・公平性に関する問題なので、例えば予算委員会での集中審議をしていても、説明責任を果たすことを引き続き求めていきたい、と話しています。

この問題は簡単に終わっていい話ではありません。納得できるよう、高市総理が説明できるのかどうかだと思います。

小川キャスター:
簗農水大臣だけでなく、高市総理自身の説明責任も残ります。

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<プロフィール>

岩田夏弥
TBS報道局 政治部長 元官邸キャップ
小渕総理以来、主に政治取材を担当

藻谷浩介さん
地域エコノミスト 著書「デフレの正体」
(株)日本総研主席研究員

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