画面ごしに拳突き上げる…コロナで「メーデー」もネット配信、シュプレヒコールもできた!

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2020年05月01日 17:31  弁護士ドットコム

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5月1日は労働者の祭典「メーデー」。2020年は日本初のメーデーから100年の節目だったが、新型コロナウイルスにより集会が困難に。中にはネット配信で「連帯」を呼びかけた労働組合もある。


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ナショナルセンター(全国中央組織)の「全労連」は集会、デモ行進を中止。代わりに収録した式典VTRをYouTubeのライブ機能をつかって配信した。





機材トラブルで、予定より1時間半ほど遅れてスタートするハプニングもあったが、




「労働者への賃金・雇用保障、中小零細業者への直接助成による経営安定など、すべての国民に社会不安を解消する『自粛と補償』一体の緊急コロナウイルス対策を求めていく」




などとするメーデー宣言案が読み上げられた。



「みなさんの大きな拍手で採択したいと思います」とアナウンスされると、YouTubeのチャット欄には「8888(編注:パチパチパチパチ/拍手の擬音)」などの反応が。





全労連の小田川義和議長が「がんばろう三唱」の音頭をとったときも、同様に「がんばろう」がいくつも投稿されていた。



同じくナショナルセンターの「全労協」は、式典のライブ放送もした。



国内最大の「連合」は、祝日の4月29日に一足先にウェブで開催し、メッセージを配信している。





●Zoomで「シュプレヒコール」も

中には、ネットで集会を開いた労働組合も。



多国籍・多民族の「全国一般東京ゼネラルユニオン(東ゼン労組)」は、会議ツール「Zoom」に組合員のうち50人ほどが集結。その模様をYouTubeでライブ配信する「電脳メーデー」を実施した。





コロナ対策や付随する生活支援など、使用者や政府に対する要求事項が読み上げられると、あちこちから「そうだ!」の声が。



「シュプレヒコール」の号令がかかると、組合員たちは、




「使用者は、コロナ解雇を、やめろ!」
「やめろ!」



「使用者は、労働者を無理やり職場に通勤させるのを、やめろ!」
「やめろ!」



「労働者が電脳メーデーで闘うのは当然だ!」
「当然だ!」




などと拳を突き上げた。



配信の最後には、サックスの生演奏で労働歌「インターナショナル」の合唱もあった。



●「100年前と同じように手探りだった」

東ゼン労組の顧問を務める指宿昭一弁護士は、「ちゃんと集会になってましたね」と振り返る。





「日本で始まってから100年、今やメーデーは形骸化している。



逆に今年は、どうやって団結するか、工夫しないといけなかったという意味で、原点回帰だったと思うんです。100年前も、『メーデーってどうやるんだ』と手探りだったはずですから。



困難な状況の中、みんなでメーデーをつくりあげたという意味では、節目の年にふさわしかったのかもしれませんね」(指宿弁護士)



メーデーといえば、組合旗を持ったデモ行進などが連想される。しかし、コロナで一個所に集まるのが難しい今、これまでのやり方では労働者の連帯を広げるのは無理だろう。



ネットなどを活用し、いかに裾野を広げ、団結できるか。多くの労働者がコロナで苦境におちいる中、労働組合にいっそうの工夫が求められていると言えそうだ。


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  • 新型コロナの感染拡大で、労働者の生活は一段と厳しくなっている。雇用、賃金あるいはその労働条件で今こそ労働組合は必要だ。労働者を守るための活動に「自粛」は
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