メジャー通算3000本安打への厳しい道のり…それでも抱くイチローへの期待

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2015年02月02日 13:20  ベースボールキング

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新天地に初のナ・リーグを選んだマーリンズのイチロー[Getty Images]
◆ マーリンズの外野陣はメジャー屈指

 去就が注目されていたイチロー外野手が、マイアミ・マーリンズと1年契約を結んだ。球団社長、GMらの球団幹部が入団会見のために来日するという異例の形での入団発表となった。

 今季、メジャー15年目を迎えるイチローは、シアトル・マリナーズ、ニューヨーク・ヤンキースに次いで3球団目の所属となるが、DH制のないナショナル・リーグの球団に所属するのは初めてとなる。マーリンズに日本人が加入するのも初めてで、メジャー全30球団のうち日本人選手が所属したことがないチームはシンシナティ・レッズだけとなった。

 マーリンズは、1993年のリーグ拡張でフロリダ・マーリンズとして誕生。97年に当時史上最速の創設5年目でワールドシリーズチャンピオンに輝くと、2003年には2度目の栄光を掴んでいる。

 マーリンズの本拠地、マーリンズ・パークはレフトが約105メートル、ライトが約102メートル、センターが128メートルと広い球場だ。右中間、左中間も117〜119メートルと広く、イチローのスピードを生かしたプレーが、より映える球場と言えるだろう。

 イチローが加わるマーリンズの外野陣は、若い選手が多い。

 昨季、37本塁打でナ・リーグ本塁打王となったジアンカルロ・スタントンは25歳で、このオフに北米プロスポーツ史上最高額となる約373億(13年総額)で契約を更新。レフトのクリスチャン・イエリチは、俊足が持ち味の23歳。センターのマンセル・オズナは昨季、23本塁打を記録した24歳だ。この若い外野陣は、アメリカのスポーツ専門サイトESPNの外野ランキングで1位にランキングされている。


◆ 3000本安打達成には新記録を達成した時並みのペースが必要

 現状、イチローは外野手の4番手と思われるが、DH制のないナ・リーグでは代打起用の回数も多くなるだろう。昨季、代打で打率.462、途中出場でも打率.400を残したイチローの出番は増えると見ていい。

 ただ、仮にレギュラーを奪って数多く試合に出場したとしても、あと156本となったメジャー通算3000本安打を今季中に達成するかと言われれば……それは現実問題として難しいと言わざるを得ない。

 今年の10月にイチローは42歳になる。満42歳以上のシーズンで140安打以上を記録したのは、1900年以降の近代メジャーで過去に4人しかいない。最多はウィンフィールド(ツインズ)とアップリング(ホワイトソックス)の148安打である。ウィンフィールドは143試合、アップリングは142試合に出場しての記録だ。

 さすがのイチローといえども、最低120試合以上はスタメン出場しなければ今季中の達成は難しいだろう。シーズン262安打のメジャー新記録を樹立した時は、1試合につき約1.6本を打った。そのペースで今季も打てれば、100試合の出場で通算3000本安打に届く計算になる。

 記録達成に関する厳しい数字を並べたが、これまで何度も前人未到の記録を打ち立てたイチロー。やはりイチローならば、何かやってくれそうな気もする。今季は、どれだけ我々を驚かせてくれるのだろうか。

文=京都純典(みやこ・すみのり)

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