<双葉病院訴訟>原発事故後に認知症患者が失踪、東電の責任認め2200万円賠償命令

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2016年08月10日 18:41  弁護士ドットコム

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福島第一原発の事故後、入院していた双葉病院(福島県大熊町)から行方不明になった認知症の女性をめぐり、家族が東電に約4400万円の損害賠償を求めていた訴訟で、東京地裁は8月10日、東電に約2200万円を支払うよう命じた。


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双葉病院や隣接する老人保健施設には当時、計438人の患者・入所者がいたが、このうち50人が避難する際、体調を崩すなどして、2011年3月末までに死亡している。遺族らが東電を相手に7つの裁判を起こしており、今回は5例目。


判決文によると、原発から4.8kmに位置する双葉病院では、3月12日から16日に計5回に分けて患者を避難させた。行方不明になった女性は当時88歳で、14日夜以降に一人で病院の外に出たとみられる。女性は今も見つかっていないが、失踪宣告(特別失踪)により、法律上は2011年4月6日に死亡したとみなされている。


東電は、女性が見つかっていないため、どこかに保護されている可能性があると主張したが、裁判所は原発の半径20kmに避難指示が出されていたことなどから、「栄養失調または脱水によって死亡することは避けられない」と指摘。「原発事故がなければ、双葉病院から職員が避難することはなく、外出を防ぐことができたと認められる」と東電の責任を認めた。


原告側代理人の新開文雄弁護士は判決後の会見で、「損害賠償のベースとなっている2000万円という金額は、交通事故の死亡慰謝料と一緒だ。親族が遺体を見ていないという事態を考慮しても、プラスアルファがあってもよかったのではないか」と述べた。


東電は「判決の内容を確認した上で、引き続き真摯に対応してまいります」とのコメントを発表した。


(弁護士ドットコムニュース)


このニュースに関するつぶやき

  • これもおかしな判決だよ。「認知症患者」「原発事故」「疾走」「行方不明」、コレで有罪ならすべての疾走に対して東電は言われなき罪を着せられる事になる。
    • イイネ!7
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