【コラム】 雑踏の中で「眠り続ける猫」出没のナゾ
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2007年10月23日 11:28 よりミク
8月中旬のある日、東京・池袋にある洋菓子店の前でのこと。回転看板の上で眠っていた、1匹の猫の写真がネット上に載りました。看板と一緒に回る姿に「かわいい!」「キャー!」と人が群がり、グルリと囲まれ写真を撮られていたそうです。人が人を呼び、路上は一時パニック。でも野次馬が触っても猫はなかなか目を覚まさなかったとか。それにしても、池袋のような騒がしい街で、人に囲まれても猫が眠り続けるなんて……看板猫をかわいいと思いつつも、ちょっとミステリーを感じてしまいました。
すると9月初めの週末、銀座にある、東京メトロ入り口看板の上にも、眠る猫がおり、騒動になっていたとの情報が浮上しました。それぞれの写真を見ると、見た目は同じ猫で、看板の上で眠るという状況も一緒。異なっていたのは、子猫がいたことぐらいです。「もしかして同じ猫?」と、猫好きとしてはこの不思議な現象がとても気にかかったので、ネットで検索をかけてみました。すると、新宿や原宿、吉祥寺でも目撃談が続々と出てくるではないですか。吉祥寺から銀座なんて、最低でも電車で30分はかかる、とうてい猫の力で移動したとは思えないような距離。誰かが故意に看板の上に置いたのか……でも側に飼い主らしき人の姿は見あたりません。どうしてこの猫たちは、あちこちの繁華街に現れ、看板の上で眠っているのでしょうか?
新聞やテレビも、この問題に注目しはじめました。9月21日の朝日新聞には、日本動物愛護協会事務局次長の「猫にとって好ましい、適正な取り扱いとは言い難い」というコメントが掲載されています。雑踏の中でも眠り続ける姿を心配する声もあり、協会へ問い合わせが寄せられる事態になっている、と。
その翌日には、埼玉県日高市にある彼岸花畑の入り口で、眠る猫の姿が目撃されました。しかも猫の横には新聞の「眠る猫記事」切り抜きと、「すて猫は犯罪です!!」といった内容のメモもあります。人だかりができているのに、やはり猫はじっと動かず眠ったまま。
そして10月21日の夕方、吉祥寺・井の頭公園にできた人だかりを覗いたところ、石塔の上に鎮座する渦中の猫を、ついにこの目で発見してしまいました! 猫の様子をうかがっていると、最初は起きていましたが、すぐにうとうとと眠りの中へ。するとそこに40〜50代の男性が現れ、紙袋から子猫を1匹、また1匹と取り出し、同じ石塔の上に乗せ始めていくではありませんか!
子猫の登場に驚いて、なぜこんなことをするのかと尋ねると、「捨て猫防止のアピールのため」との答えが返ってきました。大きな猫はその男性の飼い猫で、子猫たちは捨て猫。定期的に人の集まる場所に猫を置いては、里親を募集したり、張り紙をして捨て猫防止のアピール活動をしているんだそうです。
それにしてもこの猫たち、人に囲まれて騒がれていても、よく動かずに寝ていますねと聞くと、「マスコミには酒とか薬を飲ませているのではと言われたけど、そんなことはしていません。夜に遊んでいるから昼間は眠っているんです。写真は慣れているので撮られても平気なんですよ」と言い、猫を袋に戻して退散していきました。平気かどうか猫に聞いてみたいものですが……。皆さんはこの「捨て猫防止策」、どう思いますか?(編集/執筆:mixiニューススタッフ)
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