誰かを幸せにするための嘘も、他の誰かを傷つけているのかもしれない──ドラマ『東京タラレバ娘』最終話レビュー

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2017年03月28日 13:22  おたぽる

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おたぽる

ドラマ『東京タラレバ娘』公式サイトより。

 人並みに人生を歩んできたので、それなりに嘘もついてきた。



 簡単に見透かされてバレてしまったこともあるし、墓場まで持っていこうと思っている嘘もある。



 でも、その時々でそうすることが最善だと思って嘘をついてきたことだけは間違いない。



『東京タラレバ娘』(日本テレビ)、最終話のテーマは「嘘」。



 傷ついたKEY(坂口健太郎)を抱きしめた倫子(吉高由里子)。食事の約束をしていた早坂(鈴木亮平)に、体調が悪くなったと嘘をつき、KEYを家に泊める。



 倫子は思う「女は、息を吐くように嘘をつく。それが相手のためと言い訳しながら、自分のために嘘を重ねていく」。自分が嘘をついてしまったことに戸惑う倫子。



 今回の話で、一番の嘘は、倫子が自分自身についたものだ。



「自分はKEYが好きではない、早坂が好きだ」



 そう自分に言い聞かせる。しかし、それは嘘なのだ。



 結局、ふとしたことから彼女の嘘が早坂にバレてしまう。そして、倫子の本当の気持ちに気付いた早坂は、彼女に別れを告げる。



 早坂は言う「気持ちにフタをすることも、嘘をつくことと同じ」。彼もまた、自分の気持ちに嘘をつくことを潔しとしなかったのだ。



 そんな頃、小雪(大島優子)は、街で偶然丸井(田中圭)に会う。そして彼に「ありがとう」と告げ、気持ちに決別をつける。そして香(榮倉奈々)は、店を訪ねてきたリョウ(平岡祐太)に「ちゃんと付き合いたい。彼女とは別れた」と言われ気持ちがゆらぐ。「信じるの?」と尋ねた小雪にも答える。「リョウちゃん嘘つけないから」



 嘘はいつか破綻する。



 人を騙した嘘も、自分を騙した嘘も。



 ドラマでは、ラスト、皆が自分の気持ちに正直になっていく。



「幸せの形はそれぞれ」、それがドラマのラストメッセージだ。もしかしたら、嘘を抱えたまま幸せになる人もいるかもしれない。好きな人への思いを押し殺したまま、平穏な毎日を過ごしている人もいるかもしれない。



 好きな人と結婚をして、子どもを育てて、仕事もバリバリとこなして、そんな幸せの雛形のようなものはある。それを目標に生きていくのもいいだろう。ただ、人生は幸せになったから終わりではない。



 絵に描いたような理想通りの生活が幸せであれば、倫子が言うように、「たられば言いながら飲んでいたときも、それはそれで幸せ」なのだ。



 3カ月、女の幸せを追ったドラマ。3人の女性のコミカルな絡みが最高だった。



 それと、出てくる男性がみなイケメン。



 坂口健太郎、平岡祐太、田中圭あたりは言うまでもないが、演技で三枚目に見せていたものの、鈴木亮平だってかなりのイケメンだ。もちろんアラサーの女性がターゲットではあるのだから当然だろう。ただし、内容的には幅広い層が楽しんでいたのではないかと思う。



 ハッピーエンドで、収まるところにところに収まったという感じも、気持ちのいいものだった。いつかまた、この3人の幸せな姿を見てみたい。そんなことを思った。
(文=プレヤード)


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  • 「東京タラレバ娘」最終話レビュー書きました。3ヶ月、全話レビュー書き切りました。いい経験ができたと思っています!
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