【コラム】 全メディア黙殺? 三十路ニートの超絶ギャグ漫画

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2008年07月09日 11:12  よりミク

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よりミク

名前:大森カズフサ 性別:男 年齢:25歳(最新刊では30歳) 職業:自宅警備員(プー/ニート) スペック:眼鏡もやしっ子(必要に応じてムキムキ・マッチョに変身可能) 属性:オタク、ロリ好き  閉めきった部屋である「日課」にいそしんでいたカズフサの元に、突然天使が現れた。彼女の名前はラブやん。成功率100%を誇る、愛のキューピッドだという。彼女いない歴=年齢のカズフサに恋人を作るため、時空を超えて悪戦苦闘するが、結果はいつも惨敗。どんなに辛いことがあっても、「明日から頑張る」で済ませてしまうカズフサのダメっぷりに釣られて、段々とラブやんまでもが、エリート天使コースから外れはじめ……  月刊アフタヌーンで、2000年から連載されている「ラブやん」は、田丸浩史作のドタバタ・ギャグ漫画。25歳のニートを主人公に据え、ぶっとんだ下ネタを盛り込んだ本作は、発行元の講談社をして、「酒飲み話など非公式な席では大絶賛されるも、なぜか全メディア黙殺」といわしめるといわしめる「怪」作です。  オタク漫画といえば、29歳の独身、彼女なし、ちょっぴりオタクのシステム・エンジニアの日常を描いた、よしたに作の「ぼく、オタリーマン。」が人気。漫画世界だから実現できる「ギリギリ妄想ファンタジー」を満載した「ラブやん」とは対照的に、実際にサラリーマンを本業とする作者が綴る、等身大のオタク生活が話題を呼び、累計65万部を突破するヒット・シリーズとなっています。
「ぼく、オタリーマン。」表紙。「ぎりぎりアウト、そこそこセーフ」のキャッチフレーズについつい共感?<
「ぼく、オタリーマン。」表紙。「ぎりぎりアウト、そこそこセーフ」のキャッチフレーズについつい共感?
 特徴はなんといっても、IT企業に勤める主人公の何気ない日々を、大げさ過ぎないユーモアで包んだ「くすっと笑えて、ちょっと切ない」作風。「ガンダム」や「ファイナルファンタジー」用語にニヤリとしたり、付き合い下手ゆえ、時に社内でコミュニケーション不全に陥ってしまう主人公の姿に、共感を覚える人も多いのではないでしょうか。    しかし、ちょっぴりオタクとはいえ、サラリーマンとして社会的責任を果たしている「オタリーマン」と違って、「ラブやん」の主人公・カズフサは、25歳でニート、かつロリコン。痛々しさ倍増です。
「ラブやん」最新刊。表紙で微笑む天使と、背後にひっそり佇むカズフサ。Tシャツには「Don't Trust Over 30」の文字が……。
「ラブやん」最新刊。表紙で微笑む天使と、背後にひっそり佇むカズフサ。Tシャツには「Don't Trust Over 30」の文字が……。
 「万年だめ男と異世界からの使者」という構図は、まるで「成人版のび太とドラえもん」のよう。「ラブやん」の場合、「のび太」は25歳のニートで、小学生の女の子に叶うことのない恋をしているところが、大いに違いますが……。しかし、そのようなロリ・オタ・ニートの痛い設定を吹き飛ばして、全編を明るく包むのが、カズフサはじめ超個性的な登場人物達が繰り出すギャグの数々。「リアル」を振り切った、二次元世界ならではの笑いが、読者を「ラブやん」ワールドにぐいぐいと引き込みます。  中には「さすがにこの主人公に比べれば……と自分を慰めている俺がいる」「軍服を着て告白すると、成功率が下がることを学びました」などの、励ましや教訓を得ている人々も。ギャグ漫画の持つ懐の深さ(?)が伺えます。  最新刊で、ついにカズフサは30歳を迎えますが、未だ職なし、彼女なし(魔法使い)のままです。けれど、ごくたまに、ラブやんと「いい感じ」になるシーンもあり、この先の展開が大いに気になるところ。果たしてカズフサに春は訪れるのか? 29歳独身「オタリーマン」の行方ともども、今後も目が離せません!(キキ/mixiニューススタッフ)
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