【コラム】 ツチノコの謎 探究心とロマンは続くよどこまでも

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2008年07月16日 10:59  よりミク

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 今年3月、スポーツ紙に昭和の日本を代表する未確認生物(UMA)、ツチノコ報道が大きく取り上げられました。これに感化されたのか、4月にアントニオ猪木がツチノコを探しにパラオへ出発することを自身のブログで発表。先月はコメディアンの桜金造が捕獲の旅へ出ましたが・・・・・・なぜ人はツチノコを追い求めるのでしょうか?  ツチノコ騒動の全盛期は、オカルトに燃えた1970年代。山釣り人で随筆家・山本素石のエッセイでツチノコ探しに火がつき、漫画家・矢口高雄が自らのバチヘビ(ツチノコ)目撃体験をもとにした「幻の怪蛇 バチヘビ」を少年マガジンで連載したことで、全国に一大ブームを巻き起しました。後に「ドラえもん」や「ちびまる子ちゃん」などの漫画にも登場する人気ぶりです。
世間にツチノコブームを巻き起こした漫画 写真提供:矢口プロダクション<
世間にツチノコブームを巻き起こした漫画 写真提供:矢口プロダクション
 当時相次いだ目撃報告によると、見た目は「ビ−ル瓶を平たくしたような胴体に、三角の頭を持つヘビに似た生き物」と言われています。ほかにも「ジャンプをする」「いびきをかく」「転がる」など特徴は多数。太く短い形状が、藁を打つ「槌」に似ていることからツチノコという名が定着していますが、地方によってノヅチ、ツチンコ、ツチンボ、ドテンコなど、その呼び名は全国で40種もあるそう。  ツチノコはテレビ番組でも様々に取り上げられてきました。例えば2001年に放送された日本テレビ系「特命リサーチ200X」は、江戸時代の百科事典「和漢三才図会」に記された姿と、オカルトブームで飛び回った目撃談との違いに注目。70年代に日本に輸入され始めた、オーストラリア南部に生息するアオジタトカゲと誤認したのでは、と指摘しています。でも、真相は今でも幻のまま。
Blue Tongue Lizard(アオジタトカゲ)。手を引っ込めた姿がツチノコに似ている?(YouTubeより)<
Blue Tongue Lizard(アオジタトカゲ)。手を引っ込めた姿がツチノコに似ている?(YouTubeより)
 ブームは過ぎ去ってしまいましたが、自然豊かないくつかの山里では、今でもツチノコ熱が残っています。2000年に発見された変種のヤマカガシの死骸が、ツチノコではないかと大騒ぎになった岡山県赤磐市。発見談が相次ぐ兵庫県香美町。岐阜県東白川村は、日本唯一のツチノコ資料館をつくりました。そして新潟県糸魚川市では、有志が探検隊を結成し、町ぐるみで捕獲に力を入れています。中には捜索イベントを立ち上げ、懸賞金を設ける自治体もあります(高額なところではなんと1億円!)。毎年報じられる捜索活動を見ていると、ツチノコを探しつつ山菜や川魚に夢中な様子ですが・・・・・・。
ツチノコ捜索イベント告知のようす(新潟県糸魚川市HPより)<
ツチノコ捜索イベント告知のようす(新潟県糸魚川市HPより)
 探し続けても未だに見つからないツチノコ。果たして本当にいるのでしょうか? そしてなぜ人はツチノコに魅了されるのでしょう? UMA事情に詳しい雑誌「ムー」の編集長に聞いてみました。 「(誤認も含め)いると思います。共通した目撃情報のリアル性はありますし、これだけの目撃談から、むしろいないことを証明するほうが難しいのではないでしょうか。  ツチノコは丸くてずんぐりむっくりした体で、飛んできたり、丸まっていたりするという様子が、キャラクターになりやすく、ドラマ性に満ちた存在です。ギャグマンガにカテゴライズされそうなイメージを持ちつつ、一方ではヘビのようだと言われ、怖くて凶暴なモンスター性も備えるという、ギャップに魅力があるのだと思います。」  なるほど、サンバになったツチノコCDや、ツチノコワイン、ツチノコせんべいといった関連商品も登場し、いつのまにか「山村キャラ」として重宝されている理由が分かったような気がします。  見つかれば世界的ビッグニュース。見つからなくても、「未知の世界」を追うロマンがあればよし。というよりも、ロマンこそ人が一番欲しているものなのかもしれませんね。あなたは最近、何かにロマンを感じていますか?(編集・執筆/mixiニューススタッフ) ■関連サイト 矢口高雄 公式HP http://www.sampei33.jp/art/ さくらももこの世界 ”まぼろしのツチノコ株式会社”の巻 http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/sakura/jikenbo/20050831et01.htm YouTubeのBlue Tongue Lizard(アオジタトカゲ)動画はこちら http://jp.youtube.com/watch?v=jNePrWoQUTk&feature=related 雑誌「ムー」 公式HP http://www.gakken.co.jp/mu/ <ツチノコ熱の高い地域(参考)> 岡山県赤磐市  http://www.city.akaiwa.lg.jp/tutinoko/ 兵庫県香美町 http://www.mikatawa.com/tuti/index.html 岐阜県東白川村 http://www.vill.higashishirakawa.gifu.jp/tu/tutinoko.htm 新潟県糸魚川市  http://www.brinet.gr.jp/tsuchinoko/index.htm 奈良県下北山村 地域づくり ツチノコ共和国 http://www.d1.dion.ne.jp/~k_nozaki/
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