前回からの続き。私はユウカ。サトミの母です。30年ほど前、義母の機嫌を損ねることが恐ろしく、私は義母に言われるがままに召使いのようになっていました。けれど義母との時間を作るということは、サトミを後回しにしているということです。出かけているとき、連絡なしでわが家にきた義母が「どこにいっている!」と怒れば、私たちはもう自由に公園に行くことも、買い物に行くこともできません。サトミも小さいながらもしかしたらストレスが溜まっていたのかな……。そんなある日、サトミがこんなことを言い出したのです。
せっかくおままごとセットが届いたのに、義母のおしゃべりから逃げられず、サトミ1人に開封させてしまいました。一緒に開けたかったなぁ……と考えていると、サトミは何かを思いついたように、空の段ボール箱をずりずりと引きずりはじめました。
なんと空の段ボール箱を指差し、義母に「ここに入って」というのです。どうやらおままごとの一環ではない様子。真剣な表情で「ばぁばイヤだからナイナイする」と言うではありませんか。サトミの思わぬ行動に、私も義母もびっくりしました。
サトミに暗に「早く帰って」と言われた義母は、怒ってそのまま帰って行きました。でもきっと、孫に拒絶されたことで少なからずショックも受けたのではないかと思います。サトミの行動には驚きましたが、義母が帰ってくれたことで私は正直ホッとしました。
|
|
あのときサトミが「ばぁば宅配便の人に運んでもらう」「ここにいるのイヤだからナイナイする」そう言ったおかげで、洗脳からとけたように頭がスッキリしました。義母を最優先する必要なんてなく、私の宝であるサトミとの関係を最優先にしようと。そうしていると、不思議なことに義母が私に合わせてくるようになったんです。嫌われないように嫌われないように……と思っているうちはとても辛かったけれど、結局嫌われて疎遠になるようなことはありませんでした。
【第4話】へ続く。
原案・編集部 脚本・物江窓香 作画・Ponko 編集・海田あと