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デジタル化が進み、年賀状じまいをする人が増えている。昨年行われたある調査では、2024年用の年賀状を「出す」と回答したのは全体の43.8%。2025年用の年賀はがきは料金が今までの63円から85円に値上げされ、さらに需要が落ち込むと見込まれる。
しかし、年賀状について“届いた場合は返す”派も多いのではないだろうか。
出す人と出さない人が分かれていく中、「年賀状じまい」したのに年賀状が届き、対応に迷う場合もあるだろう。
「年賀状じまいのお知らせをしたが、かなりの数が今年も届いて結局年始に年賀はがきを購入することになった」
「年賀状じまいすることを職場の人全員に伝えたにもかかわらず、上司から届き、年明けに顔を合わせるので返すべきか困った」
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といったケースもあり、年賀状を返すことが負担でも、「返さないと相手との関係性が崩れてしまうのでは」と悩む声も……。
もらったはがきに対しては、やはりどんな場合でも返した方がよいのだろうか。
手紙文化振興協会のむらかみかずこさんに話を伺った。
「無理に年賀状で返す必要はありませんし、返さなければいけないというマナーもありません。基本的には、LINE・フェイスブック・電話など、相手と普段つながっている方法でメッセージを返すのがよいでしょう」
「年賀状を送った方がよいか」判断するポイントは、相手との関係性を考えることだという。
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「相手が自分よりも目上である、以前とてもお世話になった、懐かしさが募るといった特別な感情を抱く場合には、相手に合わせて年賀状で返事を書きしたためればよいと考えます。相手に合わせるということは、相手を尊重することにつながります。もし、年賀状を出す期間を過ぎてしまったら、寒中見舞いでお返事をすれば問題ありません」
もらった年賀状に対して、連絡すらもしないというのはあまりよくないように思うが……。
無理に返そうとする必要はないと、むらかみさんは話す。
「返事はもちろんした方がよいですが、例えば入院しているなど、返せない事情はいろいろとあります。ですので、貰ったまま返せなくても気にしすぎなくて大丈夫だと思います。年賀状がすべてではないですから。
そういった場合は、偶然顔を合わせたときにでも『そういえば、ずっと気になっていました。年賀状をいただいたまま、お返事できていなくてすみません』などお伝えするとよいでしょう。すると、多くの場合『そういえばそんなことがありましたっけ』と言われるのでは?
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中には覚えている人もいるでしょうが、そうであっても返事を強要すること自体がおかしいと考えます。自分が送りたいから送るくらいの気持ちでいると、ストレスを感じなくてよいのではないでしょうか」
出すほうにも、出さないほうにも、さまざまな事情がある。
貰った年賀状に関しては、何かしらの形でお礼の気持ちを伝えることを意識しつつ、自分から相手に送ったものに関しては“返事があるかどうかは気にしない”というスタンスがよさそうだ。
《LINEや電話で挨拶をし、自分の知人に関しては、年賀状以外の手段でできるだけ返す》
《年賀状が届いたら、目上やお世話になった人に対しては年賀状で返事をする》
などの方法が、相手に気遣いつつ、自分もストレスしがない自営業で、しがない自営業で、に感じずに対応できておすすめだ。
本来、年賀状はコミュニケーションの手段のひとつ。届いた場合は、相手との関係性を考えた上で、年賀状にこだわらずにお礼を伝えることを検討してみてはいかがだろうか。
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