親が卑怯なことをしている場面は、誰だって見たくない。しかし見てしまったらかなりドン引きしそうだ。埼玉県の40代男性(専門職/年収600万円)は、5年ほど前に「父親のお姉さんが亡くなった時」つまり伯母の葬式で、自分の父親の「見てはいけない場面」を見てしまった。
葬儀は男性の父親が喪主を務め、「しばらく会う機会も無かった親戚が久々の再会を果たし、近況報告やら色々な話をしてました」と穏やかに進行していた様子。ところが男性は、後から考えると驚愕の事態を目撃していた。(文:篠原みつき)
「何やら娘さんから父親へ茶封筒で現金の授受をしてるのを見ました」
葬儀が始まる前のこと。男性がトイレに行こうと親戚宅の廊下を歩いていたとき、こんな光景を見かけた。
「別室で、亡くなった伯母さんの娘さんと私の父親が色々話してるのが見えました。 喪主を務めるなら打ち合わせも多いだろうし大変なんだろーなー。日頃からお金に死ぬほどだらしない父親だけど、こういう時くらいは役に立つんだなーって思って見てたら、何やら娘さんから父親へ茶封筒で現金の授受をしてるのを見ました」
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父親は、自分の姉の娘、つまり姪から何らかのお金を受け取っていたのだ。
「父親はその場で中身を確認してOKみたいなの伝えてて、その時は何のお金なのかは知る由もなく終わりました」
ここまでは何ということもない場面だったが、「葬儀本番を迎える前」のこと。
「父親から私に今回の葬儀の流れに関して説明がありました。 遺族の意向で戒名はつけないからって」
男性は「戒名無しってそういう宗派なのかなー」と、なんとなく疑問に思いつつも葬儀会場へ向かった。その途中、
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「伯母さんの娘さんとバッタリ会い挨拶してたら『戒名のお金ってあれで足りるの?この前渡したけどそういうの分からなくてさー』って聞かれました」
これには男性も「えっ…」と驚き絶句した。心の中で「戒名無しって聞いてるけど」と戸惑ったのはもちろん、
「記憶を読みといて行くと、恐らく父親が戒名代金をそのまま懐に入れて戒名無しにしたんじゃねーかと思い、娘さんには『俺もよく分からないけど多分大丈夫じゃないかなー!』って濁して葬儀本番へ。誰も戒名が無い事には気づかないまんま葬儀終了」
思わず知らないふりをしてやり過ごしたが、かなり焦ったことだろう。
「この事は俺は何も見てないし、お前も何も見聞きしてない」
戒名とは、仏教で亡くなった人が僧侶からつけてもらうあの世での名前だ。必ずつけなければならないわけでは無いが、金額は20万円から100万円以上になることもある。戒名料として預かったお金をもし本当に父親が懐に入れていたとすれば大問題だ。男性も気が気ではなかっただろう。
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「どうしても、もやもやするので兄貴に事の顛末を伝えて相談したら『そうか…分かった。この事は俺は何も見てないし、お前も何も見聞きしてない。分かったか?今後、法事とかで万が一発覚して揉めたりしても俺らは何も知らなかった。これで行こう。親父が責任問われてもあいつの責任なんだから無視でいいよ』」
と兄弟は見て見ぬふりをすることにした。確かに父親の責任だが、後味の悪い決断だ。最後に思いをこう書いていた。
「見なくてよい、見てはいけない場面を見てしまったのと、こんな時でも私腹を肥やそうとする父親にくそひいた思い出です」
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