レアなGT-Rがオークションに! 落札予想2,000万超? なぜ「32型」は人気なのか

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2025年02月05日 08:20  マイナビニュース

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2025年1月11日に「シティサーキット東京ベイ」で行われた「スーパーカーオークション」に1994年式の8代目「スカイライン GT-R[BNR32]」(以下、32型)が出品されていた。「落札予想金額」を確認してみると1,700万円〜2,200万円という数字が! なぜ32型はここまで人気なのだろうか。


映画や漫画で人気爆発!



32型は1989年に発表され、その3カ月後にはスカイラインの最上級グレードとして16年ぶりに「GT-R」が復活し、当時は注目を集めた。スカイラインのグレード名だった時代も含め、歴代のGT-Rの中でも特に人気の高い32型。なぜ人気なのか改めて深堀りしてみよう。


日産のスポーツカー「スカイライン GT-R[BNR32]」は“スカイライン”としては8代目、“スカイラインGT-R”としては3代目として1989年に登場し、1994年まで生産された。手元の資料によると、当時32型は445万円で販売されていた。同年に発売となった日産「フェアレディZ 300ZX ツインターボ 2by2 Tバールーフ」(440万円)やトヨタ自動車の高級サルーン「クラウン 4ドアハードトップ 4000 ロイヤルサルーン G V8」(435万4,000円)よりも高く、車種が違うとはいえ、32型がいかに高級車だったかがわかる。1990年には「GT-R NISMO」が発売となり、国内外のレースを席巻。その後の人気と活躍はご存じの通りだ。


その後、32型が大きく注目を集めるきっかけとなったのが、2001年公開の映画『ワイルド・スピード』だろう。この映画のヒットが、32型のみならず1980年代〜1990年代の日本車が海外で広く知れ渡るひとつの要因となった。さらに、アニメや漫画で32型が取り上げられると、その人気は過熱していった。日本車ならではの作り込みの良さや壊れにくさなども高く評価され、海外を中心に30〜40年前の日本車が高値で取引されるようになっていったというわけだ。


32型が搭載するエンジンは名機といわれる「RB26DETT」だ。独自の4WDシステム「ATTESA-E-TS」との組み合わせがレース界で威力を発揮した。いまだに現役で稼動している車両も多く存在する。


低走行なら2,000万円オーバー?!



今回のオークションに出品された32型は、1994年式のスタンダードグレード。だが、走行距離は2,806キロと低走行だ。32型はレースなどで酷使されることが多かったため、内外装の状態がここまで良好なのは極めて珍しいと言えるだろう。


発売当時はここまで人気が過熱するとはあまり考えられなかった。そのため、特別扱いはせず、普段の足としてガシガシ使っていた人も多い。筆者の友人にも、中古で格安で購入し、改造するなどして遊びまくり、乗りつぶしていた人がいた。「そこまで価値が高まるのなら、もっと大事に扱えばよかった」と話していたが、当時は誰も予想できなかったのではないか。



時間の経過とともに、状態の良い32型を探すのはかなり難しくなっている。特に右ハンドルは日本国内でしか入手できないことが多く、海外のコレクターはクルマの輸送費を払ってでも落札していくそうだ。こうした人気もあり、32型が1,000万円を超えることはザラで、今回のオークションでも予想落札金額は1,700万円〜2,200万円とかなりの高値が付けられていた。



いま何気なく乗っているクルマも、もしかしたらこの先、とんでもない価値が付く可能性があるかもしれない。そう考えると、どんなクルマでもぞんざいに扱うことはできないと改めた実感した次第だ。


室井大和 むろいやまと 1982年栃木県生まれ。陸上自衛隊退官後に出版社の記者、編集者を務める。クルマ好きが高じて指定自動車教習所指導員として約10年間、クルマとバイクの実技指導を経験。その後、ライターとして独立。自動車メーカーのテキスト監修、バイクメーカーのSNS運用などを手掛ける。 この著者の記事一覧はこちら(室井大和)

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  • 塾長何億の資産持ちなんだろうねぇw。
    • イイネ!2
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