教育の場である学校は、子どもたちが成長し、知識と経験を積むための大切な場所です。
しかし、学校を支える備品や設備が古くなり、老朽化している現実があります。この記事では、日々の学びの現場で感じる具体的な課題を紹介し、古い備品が教育現場にどのような影響を与えているかを考察します。
◆揺れる椅子、ぐらつく机は当たり前
多くの学校では、子どもたちが使う机や椅子が古くなって、ガタガタと揺れる状態です。中には、穴があいてしまっているものもあり、これでは子どもたちも勉強に集中できません。
机や椅子は長年にわたって使われ、何度修理しても安定性がありません。座るたびに揺れる椅子や、書くたびにぐらつく机では、集中するのが難しいのは当たり前です。
私が現職の頃、子どもたちの下校後に教室環境を確認していましたが、やはり机や椅子のぐらつきは気になっていました。子どもたちからも訴えがあったため、用務員さんに何度も修理をお願いしていました。
修理直後はちゃんと使えるのですが、教室の床自体が歪んでいるため、席替えをして別の場所に移動すると、またぐらついてしまいます。用務員さんに何度修理をお願いしたことか…
◆劣化した備品を使い続けるストレス
さらに、教員用の机や椅子も同様にボロボロで、教員が快適に授業や採点などの仕事を進めることが難しい状況です。椅子のねじは定期的に外れて背もたれがグラグラしますし、座面のカバーがはがれて中のクッション部分がむき出しの状態です。
これを何年間も使わなければなりません。劣化した備品を使い続けるのは、やはりストレスが大きかったです。
廊下の壁がはがれていることもあり、見た目の悪さだけでなく、安全面でも問題があります。
子どもたちが移動する際に触れることで怪我の心配もあるため、気付いたら養生テープを貼って応急処置をし、すぐに用務員さんに修理をお願いしていました。
プールサイドの床も結構汚れていて、裸足で歩くのが嫌でした。子どもたちも同じことを感じていたと思います。
◆備品購入の優先度は高くない
図工室の椅子や理科の実験で使う用具など、学校で購入した備品には購入した年を記載したラベルを貼ることが多いのですが、その年が自分の生まれた年より古いことも多かったです。
一つのものを長く大切に使ってきたのだと感心するとともに、「新しくてきれいな学習用具で勉強させてあげたい」と思うこともありました。
新しい備品を購入する予算が全くないわけではありませんが、他の経費と比べて優先度が低く見られがちです。
そのため、必要性が認められても、実際に新しい備品が導入されるまでには時間がかかることが多いです。結果として、古い備品を使い続けなければならず、日々の授業や学校生活に影響が出ています。
子どもたちも「ガタガタしない机で集中して勉強したい」と思っていますし、保護者も「安全で清潔な環境で子どもを学ばせたい」と思っているはずです。新しい備品の導入により、子どもたちの学習環境が改善され、保護者の安心感も高まるでしょう。
◆FAXがまだ重宝されている現実
ちなみに、教育現場ではFAXはまだまだ現役です。私が勤務していた学校では、学校同士のやりとりや研究会のお知らせはFAXを使って送り合っていました。
その他、校外学習の申し込みや役所とやりとりする際、先方から「FAXでお願いします」と言われることも多々ありました。
業務で使うメールアドレスは付与されており、メールで資料を送り合うこともあるのですが、FAXはまだ多くの学校で重宝されています。
学校の備品が古くなり、学習環境や安全が損なわれていることは、現代の教育において深刻な問題です。教育の未来を見据えて、子どもたちたちがより良い学習環境で成長できるようにすることが重要なのではないでしょうか。
子どもたちはこの国の未来です。地域社会、企業、そして教育委員会が一丸となって学校現場を支援する世の中になることを願います。
<文・あや>
【あや】
勤続10年の元小学校教員で、現在は民間企業人事部に勤める。会社員・副業ブロガー・Webライターの三刀流で働きながら、教員の転職・副業・働き方改革について発信中。「がんばる先生を幸せにする」のがモットー。X(旧Twitter):@teach_happiness