神奈川県警本部=横浜市中区 横浜市青葉区の住宅で昨年10月、住人の後藤寛治さん=当時(75)=が死亡した事件で、実行役だったとされる通信回線営業員藤井柊(27)、無職久保田陸斗(22)両容疑者が、報酬として強奪金を分配されていなかったことが10日、捜査関係者への取材で分かった。
実行役として昨年11月に強盗致死罪などで起訴された宝田真月被告(23)は、報酬として5万円を受け取っていたことも判明。神奈川県警は、実行役とみられる3人の役割解明を急ぐ。
藤井、久保田両容疑者は昨年10月15日未明、宝田被告と共謀し、後藤さんを暴行して殺害し、現金約17万円と貴金属など99点を奪ったとして、強盗殺人容疑などで逮捕された。
捜査関係者などによると、宝田被告は事件後、藤井、久保田両容疑者を車で新横浜駅付近まで運んだ。その後、東京都内の買い取り店で、強奪した時価約50万円相当の貴金属を1000円で売却した。
同被告は強奪金約17万円のうち、5万円を報酬として抜き取り、残りは足立区内の公園のトイレに置いた。この現金は別の女が回収しており、藤井、久保田容疑者の報酬はなかったとみられる。
強奪した金品の分配方法は、指示役が決めていたとみられる。
藤井、久保田両容疑者は事件の2日後、千葉県市川市内で起きた強盗致傷事件にも関与したとされる。久保田容疑者は当時、金銭に困窮していたとみられ、「何でもいいから仕事ください」とSNSに投稿していた。