10日、ワシントンで、大統領令に署名するトランプ米大統領(EPA時事) 【ワシントン時事】トランプ米大統領は10日、米国が輸入する鉄鋼とアルミニウムに対し、25%の追加関税を課す大統領令に署名した。ロイター通信によると、3月4日に発効する。関税免除などの例外措置を設けない方針で、日本製品も対象になるとみられる。国内産業を保護する狙い。
トランプ氏は記者団に「これは大きいディール(取引)だ。米国を再び豊かにする」と強調した。米メディアによると、ドイツは報復措置を取る考えを示しており、貿易摩擦に発展する可能性がある。
トランプ氏は第1次政権時の2018年、安全保障上の脅威を理由に、米通商拡大法232条に基づいて鉄鋼に25%、アルミに10%の追加関税を課した。ただ、貿易協定を結んだカナダとメキシコのほか、オーストラリアは適用を除外された。
バイデン前政権下では見直し機運が高まり、日本や欧州連合(EU)に対し、一定量までは追加関税を免除する「関税割当制度」を導入。そのほか、一部の鉄鋼製品も適用除外とする措置があり、「虫食い状態」(関係者)との指摘もあった。
日本には22年4月以降、年125万トンまでの鉄鋼輸入には追加関税を免除する措置が適用されている。
大統領令ではこれまでの例外措置を廃止。アルミの税率は10%から25%に引き上げる。