川崎Fに先制点をもたらした佐々木旭 [写真]=金田慎平 AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)ラウンド16・セカンドレグが12日に行われ、川崎フロンターレ(日本)と上海申花(中国)が対戦した。
リーグステージを6勝2敗で終えた川崎Fは、山東泰山(中国)の棄権により「3」ポイントをマイナスされたものの、横浜F・マリノスに次ぐ2位で決勝トーナメントへ進出。準々決勝行きの切符をかけたラウンド16では、リーグステージを3勝1分4敗の7位で突破し、第3節に0−2で敗れた上海申花との顔合わせとなった。ファーストレグは速攻から1点をもぎ取った上海申花が完封勝利し、川崎Fは本拠地での逆転を目指す。果たして“3度目の正直”となるだろうか。
川崎Fは序盤から切り替えの速さで優位に立ち、次々と上海申花が守るゴール前にボールを運んでいく。12分、ボックス右角付近でボールを受けた伊藤達哉が脇坂泰斗とのワンツーで深い位置に侵入し、ファーサイドへグラウンダーで折り返す。フリーのマルシーニョがこれに合わせたが、シュートは枠を外れてしまう。18分には河原創が内側へ絞った伊藤へ鋭い縦パスを差し込み、最後は脇坂が際どいミドルシュートを放ったが、先制点とはならなかった。
24分、右サイドで細かくパスを繋いで相手のプレッシャーを掻い潜ると、高い位置を取った佐々木旭がカットインから左足を一閃。ボックス右角付近から放たれたシュートがニアサイドに突き刺さり、川崎Fが先制に成功した。その後も攻勢を強め、30分には伊藤のラストパスからエリソンに決定機が到来。その4分後には脇坂の右CKから最後は高井幸大が押し込みネットを揺らしたが、直前にファウルがあったとして得点は認められなかった。
追加点のチャンスこそ生かせなかったものの、終始主導権を握った川崎Fが2戦合計スコアを1−1とし、前半を折り返した。
後半の立ち上がりは上海申花が積極的な入りを見せ、53分にはゴール前の混戦からサウロ・ミネイロがシュートを放つも、ここは懸命に戻った佐々木がクリアして難を逃れる。その後は五分五分の展開が続いていた中、64分に川崎Fが追加点を奪う。最終ラインからのビルドアップで相手のプレスを剥がすと、ドリブルで持ち上がった佐々木がボックス手前から柔らかいクロスを供給。エリソンがダイレクトボレーでネットを揺らし、川崎Fが2戦合計スコアで逆転に成功した。
68分には大島僚太、マルシーニョ、脇坂が敵陣左サイドで華麗な連携プレーを見せ、ボックス内に侵入したマルシーニョがマイナス方向へラストパス。これを伊藤が流し込みリードを広げる。この1点で完全にペースを掌握した川崎Fは、佐々木のクロスに合わせた脇坂のシュートがポストを叩くなど、その後も多くのチャンスを創出。上海申花も諦めずに追撃の1点を狙いにいくが、GK山口瑠伊の牙城を崩すことはできない。
90+1分にはマルシーニョがダメ押しの1点を奪い、川崎Fがセカンドレグに4−0で完勝。2戦合計スコアを4−1とし、逆転で準々決勝進出を決めた。
【スコア】
川崎フロンターレ 4−0(2戦合計:4−1) 上海申花
【得点者】
1−0 24分 佐々木旭(川崎フロンターレ)
2−0 64分 エリソン(川崎フロンターレ)
3−0 68分 伊藤達哉(川崎フロンターレ)
4−0 90+1分 マルシーニョ(川崎フロンターレ)