朝起きると“泥まみれ”で地獄の旅行に…“キャンプ初心者”家族が犯した「痛恨のミス」

12

2025年03月21日 16:20  日刊SPA!

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日刊SPA!

写真はイメージ
 キャンプは夏がハイシーズンと思われがちだが、焚き火を楽しみつつ熱々の料理が旨くなる冬のキャンプを楽しむキャンパーは多い。春に差し掛かるこの季節、さらにキャンパーが増えてくるだろう。
 全国各地にさまざまなキャンプ場があるが、キャンパーの中でも聖地と言われているキャンプ場がある。

「とにかく景色が素晴らしい。朝から晩まで富士山を眺めながらキャンプを楽しめます。朝起きると朝日に照らされた富士山、日中は青空に包まれた富士山。そして日が暮れ始めると夕陽に染まった富士山と、これでもかと富士山を堪能できるので。場所も東名、中央道といった高速を使えば関東や関西地方からでもアクセスはよく、連休ともなると遠くは九州からも訪れる人がいるほど人気のキャンプ場です」(アウトドアライター)

◆上級者向けのキャンプ場で過ごす難しさ

 だが、こちらのキャンプ場は「実は中〜上級者向けのキャンプ場なんです」とクギを刺す。

「天気が変わりやすく雨がよく降るんです。しかも雨が降ると、ぬかるみや水たまりができてしまう場合もあり、スタックするクルマが続出します。また、初夏の6月くらいでも寒いので、もちろん3月でもかなりの装備が必要になりますね」

 実際、筆者も何度か訪れたことがあるのだが、6月中旬でも夜は寒く、夏用の寝袋では寒くて眠れないほど。また、当日は晴れていても前日に雨が降ったりすると場内はぬかるみや水たまりができ、立ち往生する車を周囲の客がみんなで助ける光景も珍しくはなかった。

◆聖地での冬キャンプデビューで味わった地獄

 そんな聖地を“冬キャンプデビュー”に選んだAさんは、ご多分に漏れず、地獄を味わったという。

「とにかく寒いし雨が降ったら大変だと聞いてはいたので、湯たんぽやガス缶を使ったストーブなどに加えて、もちろん寝袋も冬用のものを用意。防寒具もこれでもかと持って行きました。また、スタックした際にタイヤに噛ませて使うといいと教えてもらったので、大量のタオルを持って行ったんですが……」

 だが、自然は予想をはるかに超えた厳しさでAさんを出迎えた。

「着いた時は晴れていたんですが、タープとテントを張ったあたりから曇りだして雨になり、気温はグングン下がって風も強くなり始めました。難燃性のタープの下で焚き火を始めたのですが、風も強くリフレクターで囲っても吹きこんでくる雨と風で火が起きないんです。ストーブに切り替えたんですが、そんなもんじゃ追いつかないくらい寒かったですね」

 結局、料理は諦めてテントの中でカップラーメンをすすり、湯たんぽを入れた寝袋で一夜を過ごしたという。

◆泥にまみれて撤収することに…

 そして一夜が明け、翌朝は晴れて富士山も見ることができて最高!と思ったのも束の間。あたり一面水浸しで、靴は一瞬で泥まみれに……。

「何がツラかったのかっていうと、撤収作業ですね。いつもなら家族で手分けしてテント畳んだりして分担できるところを、すべて1人でやらなきゃいけない。しかも雨で水を吸ってテントやタープは重いし泥まみれ。おまけに寒い。水たまりやぬかるみがない場所で畳もうとしても、そういう場所はテントを張った場所から遠く、持って行くだけでかなりの重労働でした。ようやく撤収して車を出そうとしたら、見事にスタック。もう富士山なんてどうでもいいやって気持ちになりましたね(苦笑)」

 ちなみにAさんのお住まいは大阪府吹田市。その後、6時間近くかけて帰宅することになったのだとか。

◆冬キャンを成功させるコツ

 先述のアウトドアライターに、まだまだ寒いこれからの時期、キャンプ場で快適に過ごすコツを聞いてみた。

「電源サイトでホットカーペットや電気毛布を使えば、かなり快適になります。ただ、電気使用量の関係で使えないものもあるので、キャンプ場に確認してから行くといいでしょう。防寒対策で私が最強と思っているのは湯たんぽですね。寝袋に入れると朝まで暖かく、お座敷スタイルでは足下に置けばポカポカです。それと寒さは足下と首から来るので、厚手の靴下とネッグウォーマーは必須ですね」

◆天気予報では「風」にも注意

 最後に初心者が見落としがちな注意点を聞いてみると、「天気予報で事前にしっかりと確認しなければならないポイントがあるんです」と話す。

「もちろん天気予報はしっかりと確認しなくてはならないのですが、特に注意してみなければならないのが“風”です。雨は雨マークが出るのでいいのですが、初心者は強風は見落としてしまいます。

他にも注意点として、火の扱いについても挙げておきたいです。最近は薪ストーブが流行してますが、燃え移ったり溶けたりするだけでなく、燃焼不足による一酸化炭素中毒の事故も増えています。一酸化炭素中毒の事故は石油ストーブでも起きていて、いずれにせよテント内で火を使うことはオススメできません。最近は薪ストーブ対応のコットンタイプのテントもあるので、どうしても薪ストーブを……という人は、専用のテントを使うべきですね。まだまだ寒い時期のキャンプは、備えあれば憂いなし……とはいえないのです。初めての方はこれでもかというくらい準備して行くことをオススメします」

 十分な装備と事前のチェックで冬キャンプを楽しんでほしいものだ。

取材・文/谷本ススム

【谷本ススム】
グルメ、カルチャー、ギャンブルまで、面白いと思ったらとことん突っ走って取材するフットワークの軽さが売り。業界紙、週刊誌を経て、気がつけば今に至る40代ライター

このニュースに関するつぶやき

  • 快適に過ごしたいなら家にいればいいのに。
    • イイネ!2
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(8件)

前日のランキングへ

ニュース設定