地震で深く傷付いた石川県能登半島を襲った豪雨から21日で半年となった。補修されつつあった道路や田畑が再び崩れたり、土砂で埋まったりした例は多い。当時、線状降水帯がかかった奥能登地方は厳しい冬を越えて雪解けが進み、復旧作業が必要な所も目立つ。
同県の18日現在のまとめでは、豪雨では輪島、珠洲両市と能登町で計16人が死亡。住家被害はこの3市町を中心に1790棟に及ぶ。同日時点で83人が避難生活を送る。応急仮設住宅は必要戸数286戸のうち234戸が2月中旬以降に完成。残りは今月中に完成見込みだ。
能登6市町は2月末までに復興プランを策定したが、二重災害で働き手世代の流出は進んでおり、能登での営みに加わる「関係人口」の増加が復興の鍵となっている。
被災者らの継続的ケアのため、県は輪島市の商業施設に「石川こころのケアセンター奥能登」(電話0768・23・3858)を開き、相談活動を行っている。【竹中拓実】
被災写真復元へ 輪島で洗浄
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石川県輪島市町野町粟蔵のもとやスーパーでは21日、被災時に泥まみれになるなどした写真を洗浄し、画像をよみがえらせる取り組みが行われた。ボランティア団体「あらいぐま能登」(福井圭一代表)の主催で、学生ら20人以上が集まり、被災者が持ち込んだ写真を手洗いした。
この団体は、東日本大震災や2018年の西日本豪雨で大きな被害が出た岡山県倉敷市真備町などで活動してきた。現在は石川県能登町にも本拠を置いて活動している。福井代表は「被災者の思い出や生きた証しを守る取り組みだ」と話す。
能登と西日本豪雨被災地の違いについては、「能登の被災地は広域で、それぞれの町の距離が離れている。各地をキャラバンするような形で活動しなくてはならないのが大変だ」と話していた。
22日も実施
この日は、滋賀県甲賀市の中等教育学校の太鼓部が演奏し、地元の人たちを元気づけてもいた。町野町での写真洗浄会は22日も午前10時から午後4時まで行われる。【戸田栄】
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