
20年ほど前のKさんは、必死に息子を育てていた。
頼れる人も居ないなか、彼女がまっすぐに頑張れたのは思いがけない人々からの、手助けがあったからだという。
例えば駅で。例えば駐車場で。彼女を助けてくれたのは......。

ワンオペ育児に必死だったころ(画像はイメージ)
<Kさんからのおたより>
今年22歳になる息子が産まれて間もないころの話です。
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実家から離れた場所で暮らしていた私は、子育てで誰かを頼ることは全く出来ませんでした。夫は仕事が忙しく、子育ての話すら嫌がります。それも当たり前になっていき、とにかく目の前の子供のお世話に必死の毎日でした。可愛い我が子だから、当然ですが......。
駅の階段で、雨の日の車の乗り降りで......
ある日のことです。私は西岐阜駅で電車を降り、赤ちゃんを抱っこして、ベビーカーを肩に担ぎ、階段を上ろうとしていました。
すると、スーツを着た若い男性が「ベビーカー上まで持って行きますよ」と声を掛けて下さいました。
私は何でも一人でやる事に慣れ過ぎていたので、とっさに「いえ、大丈夫です」と遠慮したのですが、その方は「じゃあ上がった所に置いておきますね!」と言うやいなや、ベビーカーを肩に担ぎ、階段を颯爽と駆け上がって行ったのです。慌てて、階段の下からお礼を言いました。

駅の階段で...(画像はイメージ)
あまりの爽やかな親切に、普段の疲れが吹っ飛ぶ思いでした。
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また別の日には、雨の中で車を乗り降りしていた時、気付くと同年代くらいの見知らぬ女性が、後ろから赤ちゃんに傘をさして下さっていました。
嬉しさと驚きでお礼を言うと、その方はただにっこりと笑って去ってゆかれました。
こういう人の優しさにふと出会えたおかげで、子育てを真っ直ぐに頑張る事が出来ました。
独りで不安な時、周りの方々の思いがけない思い遣りに、本当に助けて頂きました。今でもずっと忘れていません。
あの時は、ありがとうございました。
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誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式X(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのか、どんなことをしてしまい謝りたいのかなど、500文字程度〜)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※本コラムでは読者の皆さんに投稿していただいた体験談を紹介しています。プライバシー配慮などのために体験談中の場所や固有名詞等の情報を変更している場合がありますので、あらかじめご了承ください)