2025年F1第2戦中国GP オスカー・ピアストリ(マクラーレンMCL39) 2025年F1第2戦中国GPから、国際自動車連盟(FIA)は新しい技術指令を出した。それはリヤウイングの『たわみ』検査だ。
リヤウイングのメインプレーン両端に75kgの垂直荷重を加えた際、メインプレーンとフラップの間隔は中国GPのみ最大0.75mmでそれ以降は最大0.5mmまでとなった。従来が2mmであったことを考えると、かなり厳しい規制だ。
これはレッドブルからの要請でFIAが調査に乗り出したと言われている。レッドブルが疑惑の目を向けているチームのひとつが、チャンピオンシップを戦ううえで最大のライバルとなっているマクラーレンだ。
木曜日の会見でその件について尋ねられたランド・ノリス(マクラーレン)は、リヤウイングのたわみ検査が強化されても僕たちには関係ないと語った。
「もしこの技術指令が先週末に適用されていたとしても、僕たちは優勝していただろう。だから、これは僕たちに向けられたものではない。他のチームに向けられたもの。僕たちは何も変える必要はない」
ノリスが言うように、新しい技術指令が出されてもマクラーレンは開幕戦に続いて2戦目の中国GPでもポールポジション(PP)を獲得した。ただし、今回PPを獲ったのはノリスではなく、オスカー・ピアストリ。ピアストリにとっては、これがF1で自身初のポールポジションだった。
ノリスが中国GPでPPを逃した最大の理由は、金曜日のセットアップにつまずいたからだった。スプリント予選でフロントタイヤをロックアップさせて6番手に終わったノリスは、セットアップを変えられないまま臨んだ土曜日のスプリントでもスタート直後の6コーナーでフロントをロックアップさせてポジションをふたつ落とし、8位でフィニッシュした。
「スプリント後、セットアップを変更して、予選ではかなり自信が持てるようになった。フロントエンドを改善しようと、セットアップを大きく変更したんだ」と言うノリスは、予選では3番手までペースを回復させたが、チームメートに0.152秒届かなかった。
ノリスは日曜日のレースでは、ブレーキに不具合を感じるというトラブルに見舞われ、2位でフィニッシュ。一方、PPからスタートしたピアストリはレースでも快走を披露。危なげない走りでポール・トゥ・ウインを達成し、今シーズン初勝利を飾った。
開幕から2連勝したマクラーレンがコンストラクターズ選手権で単独首位に立った。予想通り今シーズンのF1がマクラーレンを中心に展開していくことは間違いない。その流れが変わるときが来るとしたら、シーズン中に持ち込まれるアップデート次第だろう。
[オートスポーツweb 2025年03月24日]