「即レスって意味あります? 明日でもよくないですか?」――と部下に言われたら、どう返す?

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2025年04月15日 08:20  ITmedia ビジネスオンライン

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即レスはなぜ大事なのか?

 「なぜ即レスしなきゃいけないんですか?」「明日でいいじゃないですか?」こんな質問を部下から投げかけられたことはないだろうか。


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 「いいから早くやれ!」というのは簡単だが、即レスは生産性を高め、少し意識するだけで自分のメリットが返ってくる。納得のいく説明をすれば、部下も自然と心掛けてくれるだろう。


 そこで今回はメールの即レスがどのように生産性に影響し、円滑なコミュニケーションを促進するのか、その本質を探っていきたい。マネジャーをはじめ、組織のリーダーはぜひ最後まで読んでもらいたい。


●「明日でもいいじゃないか」という思考の罠


 「即レスって意味あるんですか? 明日の返事でもよくないですか?」


 こう尋ねる部下がいたら、あなたならどのように答えるだろうか? 即レスすべきか、レスを先延ばしにすべきか。その判断基準はシンプルだ。相手の立場に立って考えたときに、どちらがいいのかを判断する。即レスしたほうが相手のためになるのか、それとも明日にしたほうが相手にメリットがあるのか。それだけのことだ。


 ただ、明日のほうが相手のためになるケースは特殊だ。明日以降になったほうがレスの質が高まるというのなら、


 「即レスって意味あるんですか? 明日返事でもよくないですか?」


 わざわざ部下はこのような質問をしないだろう。従ってこう尋ねる部下は、間違いなく相手視点で考えていない。多くの場合「いま手が空いていないから後回しにしたい」という自己都合だ。


 実は、即レスせずにレスを先延ばしにすると、自分の生産性が著しく低下する。そのことに気が付いていない人が多い。メールへの対応パターン3種類で考えてみよう。


1. メールのタイトルを読むだけ


2. メールの中身の一部を読むだけ


3. メールの全文を読んで閉じる


 いちばん生産性が悪いのはもちろん(3)をしてからレスを先延ばしにすることだ。明日以降にレスをするとき、またメールの全文を読むことになる。(1)であろうが(2)であろうが大体同じで、またレスをすべきメールを探してもう一度読んだり、内容を思い出さなければならない。


 最悪の場合、レスを忘れてしまうリスクもある。だからどこかのTODOリストに残しておくことになるが、そもそもその行為自体がひと手間かかる。かなり面倒ではないか。


 読んですぐにレスしたほうが、トータルの時間はかからない。


●最も生産性の高いレスの仕方とは?


 では、最も生産性が高いレスの仕方は何か?


 答えは「読みながらレスすること」だ。


 「インラインで失礼します」と一言書いておき、相手から送信されたメールを引用しながら返信をしていく。全文を読んでから返信文を書くと認識のズレが発生する場合もある。相手のメールが長文の場合は特にそうだ。だからポイントを絞りながら、レスを書いていくのがベストである。


 例えば、総務から以下のようなメールが来たとしよう。


田中さんへ 


お疲れさまです。


先日の飲み会は楽しかったですね。


Bさんはあの後、二次会、三次会も行ったそうです。


田中さんも二次会へ行きましたか?


また同期を誘って行きましょう。


ところで、来週のプロジェクト会議についてです。


できればそのときに、


先日の飲み会で話したアイデアを皆の前で紹介してもらいたいのですが、どうですか?


部長に話したら、ぜひ会議で披露してほしいと言っていたので。


返信待っています。


以上


 このメールに対して、読みながらインラインで返事を簡潔に書いていくのだ。


鈴木さん


田中です。お疲れ様です。


>先日の飲み会は楽しかったですね。


私も楽しかったです!


>Bさんはあの後、二次会、三次会も行ったそうです。


>●●さんも二次会へ行きましたか?


いや、あの後はM主任と一緒に帰りました。


Bさんは三次会まで行ったんですね。


>また同期を誘って行きましょう。


ぜひお願いします! その時は声をかけてくださいね。


>ところで、来週のプロジェクト会議についてです。


>できればそのときに、


>先日の飲み会で話したアイデアを皆の前で


>紹介してもらいたいのですが、どうですか?


秋の展示会に関するアイデアのことですね。


>部長に話したら、ぜひ会議で披露してほしいと言っていたので。


>返信待っています。


そうでしたか。すごく嬉しいです。


それでは、来週のプロジェクト会議までに準備しておきます。


どうぞよろしくお願いいたします。


以上


 飲み会の内容と業務連絡を一緒にメールしてくる人もどうかと思うが、こんな困ったメールに対しても、こう返信すれば効率的な上に、相手の質問に漏れなく答えられる。


●「即レス」は相手を承認する行為でもある


 即レスは単なる効率化だけではない。相手との関係構築にも大きく関わっている。


 「アクノリッジメント(存在承認)」という言葉をご存じだろうか。相手の存在そのものを認め、価値を認める行為のことだ。日々の感謝の気持ちを言葉にすることもそうだが、実はメールへの「即レス」もその一つだ。


 「先輩のおかげで、助かっています。ありがとうございます」


 「いつも●●さんには感謝しています」


 と、毎日のように伝えている人は少ないだろう。しかし、誰だって毎日のようにできることがある。それが、そこに相手が存在していることを認めることだ。名前を呼んで、あいさつするだけ。声をかけるだけでいい(お客さまに対しても同じだ)。


 「田中さん、おはようございます」


 「吉田さん、お疲れさま」


 これだけでいい。短いフレーズだが、効果抜群だ。こんなに「タイパ」の高いコミュニケーションはないだろう。


 「即レス」も同様にアクノリッジメントの一つだ。ただメールへのレスが遅いというだけで、相手は「自分の存在が軽んじられている」と思い込む可能性はある。


●部下からの質問にどう返すべきか


 さて、冒頭の質問に戻ろう。「即レスって意味あるんですか? 明日返事でもよくないですか?」と言われたとき、どう返すべきか?


 相手に以下のポイントを伝えてはどうだろうか。


1. レスを先延ばしにすると、君自身の生産性が下がる


2. 相手の立場に立って考えれば、即レスが求められるケースが多い


3. 即レスは相手への存在承認になり、信頼関係を構築する


 ビジネスの原理原則は「相手の立場に立って物事を考える」ことだ。繰り返すが、相手の立場に立って明日返事のほうがよければ明日する。即レスのほうがよければ即レスする、というだけである。


 即レスせずに、レスを先送りするほうが相手にとってよいシーンを即答できないのなら、単に自己都合だ。自己都合で明日レスするのなら、それはいいはずがない。必ずそう伝えよう。


 「即レス」はテクニックもスキルも必要がない。単なる習慣だ。誰にでもできる。誰にでもできることをせず、「あの人はいつもレスが遅い」「言わないと返事をくれないよね」とレッテルを貼られるのは不本意だろう。相手との信頼関係を知らぬ間に傷つける可能性があるのだから、自分自身のためにも「即レス習慣」は身につけたほうがいいだろう。


著者プロフィール・横山信弘(よこやまのぶひろ)


企業の現場に入り、営業目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の考案者として知られる。15年間で3000回以上のセミナーや書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。現在YouTubeチャンネル「予材管理大学」が人気を博し、経営者、営業マネジャーが視聴する。『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、多くはアジアを中心に翻訳版が発売されている。



このニュースに関するつぶやき

  • メールの即レスは、100害あってメリットなし?!だと思うけど?! その証拠に、具体的なメリットをあげれてないわけで・・。だいたい、即レスが必要なものは、メールを使わないよね?!
    • イイネ!2
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