2009年F1アブダビGP ルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP) 今では恒例となっているが、ボナムズ・カーズは、2025年F1第6戦マイアミGP期間中に歴史的なレーシングカーのオークションを開催する。
今年のイベントの目玉は、2009年にジェンソン・バトンと所属チームのブラウンGPがそれぞれのタイトルを獲得するのに貢献した、オリジナルのブラウンGPシャシーだ。2008年12月初旬にホンダがF1から撤退したため、チームは土壇場でメルセデスの合意をとりつけてエンジンの供給を受け、ホンダの資金で開発されたマシンが製造された。同チームは1年間だけブラウンGPの名でレースに出場し、その後メルセデスに売却された。
その年に製造された最初のシャシーは現在、マイアミGPの週末に向けオークションに出されているが、その年に製造された3台のなかで最も重要なものとなっている。なぜなら、チームがわずかな冬季テストを行ったのはこのシャシーであり、その後、シーズンの最初の3分の2でルーベンス・バリチェロがドライブしたものだからだ。
販売については、次のように声明が発表されている。
「最初のアウトラップから、ジェンソンはこれが特別なマシンだとわかっていた。白の車体に蛍光イエローと黒のストライプが入り、スポンサーロゴが付いていないのが目立っていた。チームは事前のバーレーンとヘレスでのテストを欠席し、オーストラリアでのシーズン開幕のわずか1週間前にバルセロナに到着した。ジェンソン・バトンは、最初のベストタイムですでに他のドライバーより0.6秒速く、ほとんどのセッションでバリチェロとトップタイムを競い合った。あまり多くの人々を驚かせないように、ブラウンは燃料タンクを満タンにし、摩耗したタイヤでマシンを走らせてその潜在能力を秘密にしていたが、それでも結局は他のチームに1秒近く差をつけてしまった」
オークションを取材するボナムズ・カーズは、次のように説明している。
「シャシー01/001は、最後の7レースを除くすべてのレースで、主にルーベンス・バリチェロによって使用された。ルーベンスはシャシー001のステアリングを握り、その過程で多くのポイントを獲得した。ルーベンスと001は、歴史的なオーストラリアの開幕戦で2位につけ、チームはワン・ツーフィニッシュを決めた。続くマレーシアでのレースでは、ルーベンスは5位でフィニッシュし、中国GPでは4位に順位を上げ、ジェンソンのすぐ後ろでフィニッシュして、同レースのファステストラップを記録した。バーレーンGPでは、ルーベンスはルイス・ハミルトンのマクラーレンに次いで5位だった」
「ルーベンスとブラウンGPシャシー001が大量のポイントを獲得したのは、スペインGPでのことだ。ジェンソンに次ぐ2位に入賞し、再びワン・ツーフィニッシュを果たし、ルーベンスはドライバーズ選手権で2位となった。世界で最も権威のあるスポーツイベントのひとつであるモナコGPでは、ブラウンがふたたびトップ2の座を独占し、ルーベンスとシャシー001が、バトンに続いて2位となった。続くトルコラウンドでは、001がクラッチトラブルに見舞われ、ルーベンスがリタイアしたため後退したかに見えたが、シルバーストンでのイギリスGPで勢いを取り戻し、ブラウンにとって最高位の3位に入り、ドイツGPではチームメイトに次ぐ6位を獲得した」
これは、オークション終了時には間違いなく数百万ドル(約数億円)の値上がりが見込まれる歴史的な記念品のひとつだ。また、バトンとバリチェロの両名がマイアミを訪れ、オークションを手伝う予定となっている。
[オートスポーツweb 2025年04月29日]