
※本コラムは『人事の人見』第6話までのネタバレを含みます。

■就活シーズンまっただなかの“今”だからこそ見てほしい!
スーツを着て歩いている就活生を見る機会が増えてきた今日この頃。思い返せば、6年前のわたしもこの時期はストレスで押し潰されていました。就活がスタートしたばかりの時は、「よしっ! 頑張るぞ!」という気持ちが強かったんだけど、内定をもらった子が増えてくると、なんだか不安で仕方がなくて……。SNSで「#nnt(無い内定)」と検索して“仲間”を探したりしていました。
就活生って、追い込まれると、内定をもらうことが目的になってしまいがちじゃないですか。だけど、本来の目的は、楽しく働ける会社とマッチングすることなんですよね。結婚がゴールじゃないのと同じで、就活も内定がゴールじゃない。むしろ、スタートなんです。だからこそ、超しんどい! 今、頑張っている就活生のみなさんに全力でエールを送りたい気持ちでいっぱいです。みんな、頑張ってて偉い!
5月14日放送の『人事の人見』第6話は、就活シーズンまっただなかの“今”だからこそ見てもらいたい作品でした。おそらく、就活シーズンは人事部が1年のなかでいちばんバタつく時期。人見(松田元太)が働く「日の出鉛筆」の人事部も例外ではなく、みんなバタバタしていました。
|
|

そんななか、人見は真野(前田敦子)とともに面接のサポート役を務めることに。集団面接で、「あなたを日の出鉛筆の文房具にたとえると、何ですか?」と聞かれた学生たちは、「ホッチキスです」「鉛筆です」「定規です」などといったいかにも模範的な回答をしていきます。みんな、「慣れてんな〜」という感じ。
でも、そのなかで「小さい頃から日の出鉛筆で働くのが夢だった」と話す学生・新山くん(安藤冶真)は、擦れていないというか、めちゃくちゃまっすぐだったんですよ! わたしが面接官だったら、真っ先に花丸をつけてます。人見も、新山は“勝ち確”だと思い込んでいました。

しかし、三次面接の通過者に、新山くんの名前はなかった。熱い男・人見は、会社の採用基準に不満を持ち、採用担当のウジン(ヘイテツ)に相談。「選考に落ちた学生たちをもう一度集めて、一人ひとりとちゃんと話をしたい」と言い出しました。
正直、現実世界ではあり得ない……というか、人事部の社員が独断でそんなことをしているのがバレたら大問題です。でも、『人事の人見』はそういう細かいことは気にしないところがいい! だから、素直に「こんな世界があったらいいなぁ」と思えるんです。

ピュアピュアな人見くんを見ていると、“人を想うとはこういうことなんだろうな”と考えさせられます。誰かのために、本気で怒って、本気で泣いて、本気で喜ぶ。人見の影響かは分からないけれど、今の「日の出鉛筆」人事部には、そういう温かい人が集まっている気がします。
|
|
■人見くんの“目の色が変わる瞬間”にときめく

人見くんって、ただただ明るいだけじゃないんですよね。誰かに悩みを打ち明けられた時、「そんな暗いこと言ってないでさ、明るくいこうぜ〜!」みたいな返しをする人っているじゃないですか。もちろん、それもポジティブですてきなんだけど、人見くんはそうじゃない。真剣な話をする瞬間、目の色が変わるんです。例えば、ウジンが転職活動をしていると知った時のこと。
ウジン「転職活動してるなんて知られたら、居づらくなるじゃないですか」 人見「そうかなぁ? みんな、ウジンの味方じゃん」 ウジン「そんなもんですよ。会社なんて……」 人見「(目の色を変えて)……それでどうして転職なんて?」
この瞬間、キュンキュンが止まらなくて、何度も巻き戻しちゃいました。「それでどうして転職なんて?」と聞いた時の声色も、優しすぎて……。一拍置くのも、いい! というか、人見くんって、完璧彼氏すぎませんか? 森谷さん(桜井日奈子)、まじで見る目がある!

また、「日の出鉛筆」の選考に落ちた学生たちに向けたアドバイスも、グッとくるものがありました。「ちょっとしたことで、落ちたり受かったりしてる」「だから、自分がダメだとか思わなくていいんじゃない?」「会社で人生決まるわけじゃないんだから。道なんて、いくらでもある」。
|
|
これらには、ウジンへのメッセージも込められていたんだろうなと思います。転職活動がうまくいかなかった時、ウジンが「こうして何度も落とされていると、自分がダメな人間なんだって思えてきて……」と漏らしていたのを覚えていたんだと思う。
人見くんって、「寝たら全て忘れま〜す!」と言いそうなタイプなのに、意外とそうじゃないのがギャップ萌えですよね。記念日とかもちゃんと覚えててくれそう。こっちも覚えていない“初めて会った記念日”とか、“初めて名前で呼んだ記念日”とかまでお祝いしてくれそう(妄想は尽きない……)。

新山くんが言うように、就活って結局は“運”なんですよね。だって、どれだけ長い選考でも1時間とかしかないわけじゃないですか。そのなかで、自分を最大限に知ってもらえるかどうかなんて分からない。もちろん、そのために努力をしなければいけないんだけれど、本気度が高い面接ほど空回ったりしちゃうもの。就活と恋愛って、どこか似ていますよね。
小さい頃から、「日の出鉛筆」で働くことを夢見てきた新山くんが、立ち直れるかどうかすごく心配でした。でも、人見がもう一度チャンスを与えてあげたことで、「僕より全然ふさわしい奴らが残ったので、納得しています」と吹っ切ることができた。
また、転職活動をしていたはずのウジンが、「日の出鉛筆」に戻ってきて、「(日の出鉛筆の)世界でいちばんなところは、人だと思います。僕にとって、彼らが世界でいちばんです」と言っていた場面は、涙がちょちょぎれちゃいました。
ちなみに、第5話では人見くんの新たな過去が明らかに。どうやら、彼はシルクロードを旅していた時期もあったようで……。どんな人生を送ってきたのか、小出しにせず一気に教えてくれ〜!
ではでは、また次回の放送でお会いしましょう! みなさんの考察も、ぜひSNSで教えてくださいね!
(菜本かな)
元の記事はこちら