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NTTドコモは5月21日、1999年から独自に提供してきた「ドコモ絵文字」の提供を、6月下旬以降の発売機種から順次終了すると発表した。開発者であるニコニコの栗田穣崇代表はこれを受けて同日、自身のXアカウント(@sigekun)で「提供終了記念」としてユーザーからの質問を募り、ドコモ絵文字への思いや開発時のエピソードを次々と明かした。
【画像】栗田代表が気に入っているという「ハート」「バー」の絵文字など(計3枚)
ドコモ絵文字の開発にかかった期間について、栗田代表は「構想は数カ月、開発は1カ月弱」だったと説明。最初に完成したのは「雨」の絵文字だったという。開発当初は、約200個近くを1カ月弱で作ったとのこと。
「一番作るのが面倒だった絵文字」を問われると、「コンビニ」「ガソリンスタンド」を挙げた。「12×12ドットの制約内での表現が難しく、結局文字になった」という。
各絵文字への配色については、「自分の一存で、その絵文字に合う色を6色の中から選んだ」と説明。「病院は最初赤にしたが、赤十字に怒られたため黒に変更した」とのエピソードも明かした。
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「お気に入りの絵文字は?」との問いには、「ハート」の絵文字を挙げた。その理由は「どんな誹ぼう中傷でも語尾にこれをつけると打ち消す力があるから」(栗田代表)。デザイン面では「カクテル」(“バー”の絵文字)の絵文字を気に入っているという。
「絵文字はドコモの業績にどれほど貢献できたのか」との問いには、「2000年代前半のドコモの圧倒的なシェア率の要因の1つではあったと思う」と振り返った。
一方で、「『ドコモ絵文字をやめてほしい』という意見が近年多く見られてきたが、どう感じていたか」と問われると、「全ての絵文字やダークモードに対応できなかったので、当然だと思います。自分ではどうしようもないですけど」と冷静な受け止めを見せた。なお、同氏が最後に使ったドコモ絵文字搭載端末は「Xperia SO-52Bが最後だったと思う」とのこと。
99年に登場したドコモ絵文字は、同社の携帯電話向けネットサービス「iモード」の対応端末に搭載され、メールやWebなどモバイル通信の普及とともに広く使われた。2010年に世界共通の文字コード「Unicode」に収録され、国際的に広がった“Emoji”の発祥としても、高い評価を受けている。
16年には、初期のドコモ絵文字176種類がニューヨーク近代美術館(MoMA)に「デジタルコミュケーションの新しいかたち」として収蔵された。栗田代表は同日の別のポストで「まさか1カ月弱で作ったものが26年残るとは思わなかった」との感慨も漏らした。
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栗田代表は95年にNTTドコモに入社し、iモードや絵文字の企画・開発などに携わった。09年に退社したのちは、ぴあやバンダイナムコエンターテインメントなどを経て15年にドワンゴへ入社。17年12月に、ニコニコの運営責任者に就任している。
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