希少がん分類、新たに策定=31臓器と364種類―国立センター
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2025年06月11日 07:31 時事通信社

国立がん研究センターは10日、患者数が少ない希少がんについて、世界保健機関(WHO)の国際疾病分類を踏まえた新たな分類を策定したと発表した。人口10万人当たり6例未満の罹患(りかん)率を基準とし、小腸など31の臓器のがんと、364種類を希少がんと定義した。
厚生労働省の検討会は2015年、希少がんを「人口10万人当たり6例未満」「数が少ないため診療・受療上の課題が他のがん種と比べて大きい」と定義。分類には、欧州で採用される方法を用いてきたが、不明瞭な部分があるなどとする声が上がっていた。
がんセンターは、新たに臓器やがん組織の種類を組み合わせた分類法を策定。発生が少ない中咽頭など31の臓器のがんと、胃や腸の筋肉層にできる消化管間質腫瘍など、発生が多い臓器でも例の少ない364種類を希少がんと定めた。
これに基づき、16〜19年に国内でがんと診断された約410万例を分析。希少がんは従来の分類では全てのがんのうち15.4%だったが、新たな分類では20.0%になったという。
がんセンターは「治療法を開発すべき疾患がはっきりした。希少性の程度が分かることで、患者さんにも貴重な情報になる」としている。
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