写真 こんにちは。これまで3000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”から脱出した経験を活かし、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。
◆年下と結婚したがる女性、2つのパターン
男性は結婚相手の年齢を重視するというのはよく知られていますが、20代男性は婚活でさほど相手の年齢を気にしません。なので女性が婚活する場合、30代前半ぐらいまでは同年代の男性と出会いやすいのです。しかし女性は35歳を超えると急激に、同年代と会いにくくなります。同年代男性が若い女性にばかり申し込みをするようになるためです。
とはいえ、年齢が上がるほど若い人がよくなるのは、男性に限った話でもありません。「結婚するなら何が何でも年下男性」という40代女性も存在するのです。
20代で何が何でも年下の男性と結婚したがる女性はほとんどいないのに、ただでさえ婚活で苦戦しやすい年齢になってからさらに高い条件を付ける女性には、2タイプいます。
1つ目は、元カレが年下ばかりだったというパターンです。“結婚に至らない恋愛”だった原因があるはずなのに。マッチングアプリでは女性というだけでモテるので、元カレが本当に「彼氏」だったのかも疑問です。
2つ目は、仕事ができる美人です。年収が高い独身40代男性も若い女性と結婚したがるのですが、同じような女性がいるのです。
筆者のところへご相談にいらっしゃった真由美さん(仮名・45歳)という女性は、後者でした。
◆高学歴で美人、“見た目はアラサー”の45歳
真由美さんは実年齢を知らなければアラサーで通用する容姿です。小顔でフェイスラインにも一切たるみがなく、首も手もシワもシミもなくキレイ。美容クリニックでメンテナンスをしているとのことでした。
容姿がキレイというだけではありません。真由美さんの最終学歴は日本有数の難関大学で、お仕事は年収も高い専門職です。
真由美さんはこれまで恋人はいたものの、結婚を深く考えたことはなかったそうです。海外赴任もあり、海外では日本以上にお誘いが多かったそうですが、もし結婚するのなら日本人がいいと思っていました。40代になり自分の今後を考えた時に、仕事は十分にやりきった、次は結婚だと思ったそうです。
婚活の方法を調べて、マッチングアプリには結婚する気がない男性も多いことを知り、効率的に進めるために結婚相談所に登録しました。美人なので申し込み(※結婚相談所における、会いたいという意思表示のこと)はたくさんありましたが、ほとんどが50代以上でした。
◆見た目で「アリ」と思える男性と結婚したい
中には40代の同年代男性からの申し込みもあり、何人かは会った人もいました。ですが、会ってみたら写真より太っていたり、歯に青のりが付いていたり、鼻毛が出ていたり、といった人ばかり。真由美さんから見たら「結婚できなかった人」に見えて心が動きません。筆者も相手のプロフィールを見せてもらいましたが、みんな年収が高いハイスぺ40代でした。
「何が何でも結婚したいとは思っていないです。妥協して結婚するなら一生独身でもいいと思ってます。結婚するのならこの人って思える人じゃないと」
真由美さんの中で“この人って思える人”の第一条件は、見た目で「アリ」と思えることだそうです。そうなると必然的に、同年代より若い男性にばかり目がいきます。しかし、真由美さんからアリな男性に申し込みをしても、全て断られてしまいました。
◆40代女性、見た目が若くても苦戦する理由
真由美さんは、同じ40代女性の中で比べれば人気があることは間違いないのですが、年下男性を狙えるかというと話は別です。私は正直に伝えました。
「プロフィールはもっとブラッシュアップした方がいいと思います。真由美さんが申し込みしている『アリ』の男性たちは30代の中でも人気があって、20代女性ともお見合いしている可能性があるんですよ。結婚相談所を利用する男性は子どもを希望する方が多いので、そういう方にとって40代女性はどれだけ若く見えても難しくなります。
職場恋愛とか友達の紹介とかの出会い方の方が向いているかもしれません。子どもを授かること前提で相手探しをしないですし、年齢をさほど気にせず会って恋愛にも発展しやすいので。お友達や周りにも婚活していると言って、紹介の可能性は広げてみましょう」
真由美さんの希望条件を聞いてみると、離婚歴やお子さんの有無は気にしないとのことでした。
◆30代の爽やかバツイチエンジニア男性登場
真由美さんは写真や自己紹介文を変え、婚活を再スタートすることにしました。離婚歴がある男性を中心に積極的に自分から申し込みをしたところ、30代の男性数人とお見合いが成立したのです。
そのうちの一人、37歳の達也さん(仮名)は、爽やかな笑顔の写真が印象的なエンジニアでした。期待して会ったのですが、結果としては断ってしまいました。
達也さんとの会話はこんな感じだったそうです。
「真由美さんのご趣味は?」
「読書が好きなので、休憩時間もよく本を読んでるんですよ。今読んでいるのは『薬屋のひとりごと』です」
「そうなんだ。食事しながら本を読む人もいますよね」
食べながら本を読んでいると言ったわけじゃないのに、勝手に食事中と解釈された。そして、あえて今話題の人気作を挙げたのに、作品名はスルーされてしまった。以上の2点から、真由美さんは彼を“会話がかみ合わない男性”だと判断したそうです。
◆子どもを望まない36歳男性とのお見合い
次に会ったのは、36歳で金融機関勤務の康太さん。会って話した印象もよく、また会ってみたいと思える男性でした。しかも康太さんには子どもがいるため、新たに子どもを授かることは希望していませんでした。
ただ、康太さんは独占欲が強く、仮交際中なのに「他に会っている男性はいないよね」と確認してきたそうです。結婚相談所における仮交際とは、お見合い後に相手を知るために会う“お試し期間”のこと。仮交際期間は、同時に複数の人と会ってデートをすることができます。
仮交際中に独占欲をむき出しにしてくる割に、真剣交際に進む意思はなさそうで、はっきり告白してくるわけではありません。しかもデートの間隔はあき、頻繁には会えませんでした。真剣交際は、相手を一人に絞ったいわゆる恋人期間です。
真由美さんは、他の男性とのお見合い予約を入れました。
◆付き合ってもないのに「浮気だ」と長文のLINEが……
真由美さんのお見合いを知った康太さんは、真由美さんに「がっかりだ。浮気だ」という内容の長文LINEを送ってきました。さらに、交際終了後にもかかわらず「職場にも浮気を告発する」という旨のLINEまで届きました。
仕事が特殊な真由美さんの職場は、少し調べれば簡単に特定できてしまいます。ひとまずLINEで康太さんをブロックし、結婚相談所経由で忠告してもらうことにしました。
この2人の件があり、真由美さんの心境は変化します。
「お2人ともたしかに条件には一致しているんだけど、離婚した事情も納得してしまうような人でした」と考え込む彼女。その後「少し婚活を休んで、しばらく自分と向き合いたい」と話していました。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<文/菊乃>
【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt