
Q. ダイエットしていないのに急に痩せました。どのような理由が考えられますか?
Q. 「特にダイエットなどはしていないのですが、3カ月くらいで体重が4kg近く減りました。体型は、ごく平均的だと思います。食事量を減らしたり、運動量を増やしたりもしていないのですが、少し気になります。勝手に体重が減ることはあるのでしょうか?」A. 意図しない体重減少は、病気のサインの可能性も……自己判断は禁物です
何もしていないのに急な体重減少が見られた場合、病気が原因という可能性は否定できません。知らず知らずのうちに摂取カロリーが減っていたり、日常的な運動量が増えていたりするケースもありますが、食事量も運動習慣も本当に変わっていないのなら、注意が必要です。勝手に痩せていく場合、がんなどの病気の可能性もあります。がん細胞は正常な細胞よりも活発に増殖するため、じっとしていても基礎代謝が上がるためです。エネルギー消費量が増えるため、「何もしていないのに徐々に痩せていく」状態になります。
また、消化器系のがんの場合は、胃の不調や痛みなどが起きやすく、無意識に食事量が減っていることもあります。この場合も、摂取カロリーの不足によって体重は減っていきます。
がん以外にも、甲状腺機能亢進症のような、代謝が活発になる病気が原因のこともあります。元の体重が不明ですので、「3〜4kg」という情報だけでは判断できませんが、もし数カ月で体重の10〜15%が減少するような変化があった場合は、一度、医療機関の受診をおすすめします。
狭間 研至プロフィール
大阪大学医学部卒。日本外科学会 認定登録医。大阪大学医学部付属病院、大阪府立病院などで外科・呼吸器外科診療に従事した後、現在は地域医療の現場で医師として診療を行う。ファルメディコ株式会社 代表取締役社長。医療法人嘉健会思温病院理事長。外科医、地域医療、薬局運営の豊富な経験から、医療と患者さんの橋渡しとなる分かりやすい医学情報発信を行っている。
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