トランプ節連発に苦慮=関税交渉、参院選で譲歩難しく―政府・与党

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2025年07月04日 20:02  時事通信社

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時事通信社

トランプ米大統領=6月27日、ワシントン(AFP時事)
 トランプ米大統領は4日、各国に書簡で通知する関税率を10〜70%とし、8月1日から徴収すると記者団に語った。日本の関税率は不明だが、相互関税の上乗せ分の適用停止期限である9日を前に、トランプ氏は連日、日本への不満を表明。3日に参院選が公示され、選挙戦に突入した石破政権にとり安易な譲歩は命取りになりかねず、政府・与党は連日の「口撃」に苦慮する。

 「トランプ氏は今、日本で起きていることを正しくインプットされていない」。小泉進次郎農林水産相は4日、秋田市内での演説で、「日本は深刻なコメ不足が生じているのに米国からコメを買おうとしない」などとSNSに投稿したトランプ氏の主張に反論。「米国のお米が日本に入ってきていないなんてうそだ」と強調した。

 日本は4月の関税交渉本格化以降、ベセント財務長官やラトニック商務長官ら担当閣僚に対米投資の実績や日米間の貿易拡大への貢献などを繰り返し訴えて、自動車追加関税を含む高関税措置の見直しを求めてきた。しかし、一連の言動からトランプ氏の理解が得られているとは言い難く、交渉戦略の練り直しも必要となりそうだ。

 日米交渉を担う赤沢亮正経済再生担当相は4日、首相官邸で関係省庁の幹部らと関税交渉について協議した。赤沢氏は終了後、米国からの書簡について「届いていない」と記者団に説明。トランプ氏の発言については「コメントしない」と述べた。

 米側との調整がつかないまま期限を迎え、さらなる高関税が課されれば国内輸出産業への打撃は必至。このため政府内では9日までに改めて赤沢氏が訪米して8回目の閣僚交渉に臨む案も検討される。ただ、勝算がないまま訪米し状況打開へ進展がなければ、野党からの攻撃材料となりかねず、難しい判断を迫られている。 

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  • 野党第一党党首がアメリカと交渉した方が……
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